vol.28
GUCCI
(グッチ)
「ル マルシェ デ メルヴェイユ」の
ジュエリー
モード界の先端を走り続けるブランド、グッチ。クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレの提案する、ヴィンテージを再解釈し、今の時代に進化させたスタイルは、世界中のファッショニスタに圧倒的な支持を得ています。
トップメゾンでは、ジュエリーと服は、異なるデザイナーが担当することもしばしばですが、グッチの場合は、すべてミケーレによるもの。
洋服と同じ発想で作られたグッチのジュエリーは、宝飾ブランドとは異なる、「モードの延長線上にあるジュエリー」なのです。
今回、私が選んだのは、繊細な金細工が美しいバタフライモチーフのジュエリー。
一般的にバタフライというと、お花畑を舞うロマンティックな印象のデザインが多いのですが、グッチの場合は、ただ可愛いというより、グラマラスで抗いがたい魅力を振りまく、毒のある怪しいバタフライというのが私のイメージ。
これを見た時、「ミケーレの手にかかると、こうも違う蝶になるのか!」と感激しました。
この独自の世界観を活かすなら、あえてプリントや、派手な色の服に合わせたほうが気分。
ジュエリー自体は華奢なのですが、デザインに存在感があるので服に負けない迫力があり、服との相乗効果で、より個性が引き立つと思います。
服とジュエリーを「別もの」と捉えるのではなく、あくまで同一線上にあるお洒落として考える──今、最も勢いのあるブランドのジュエリーから学んだ旬のスタイリングです。
「レースのように繊細なオープンワークの上に、ダイヤモンドが輝きます」
「バタフライモチーフというと、シンプルな服に合わせることが多いのですが、グッチの場合は、インパクトのある服に合わせて、個性的に。グローブの上にしても素敵」
伊藤美佐季(いとう みさき)
ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。数々の女性誌で活躍するほか、有名女優からも支持が厚い。近著に『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』(ダイヤモンド社)。
Column
伊藤美佐季のSource of yourself
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2019.12.02(月)
Styling=Misaki Ito
Photographed=Masami Naruo(SEPT)
Make-up=Tomohiro Muramatsu(sekikawa office)
Hair=Kota Suizu(SEPT)
Text=Miwako Yuzawa