ありそうでなかった
「コーヒー豆のセレクトショップ」が誕生

 かつて、表参道の路地裏に世界中からコーヒー通が集う、小さな古民家があった。その名は「Omotesando Koffee」。2015年末に建物の老朽化のため、惜しまれつつ幕を閉じた人気コーヒー店は、2017年コーヒー豆の販売専門店「Koffee Mameya」へと姿を変え、同地で再始動を果たした。

今から6年前、「Omotesando Koffee」がオープンした1月27日に、まったく同じ場所で営業をスタートした「Koffee Mameya」。石畳や盆栽など、シックな和の風情に誘われて店内へ。

 「バリスタとして、これまでにない新たな価値を提供したい」と語る、國友栄一オーナーが、長年温めてきた「Mameyaプロジェクト」とは?

前回、「茶亭 羽當」を紹介してくれたコーヒーライターのヴォーンさんとともに、その全貌に迫る。

「この店から東京の新たなコーヒーカルチャーがスタートする」と期待に胸躍らせるコーヒーライターのヴォーンさん。

より多くの人に
新しいコーヒーとの出会いを

 コーヒー通に語り継がれる名店「Omotesando Koffee」や虎ノ門ヒルズ内の「Toranomon Koffee」をはじめ、国内外に数々の人気店を生み出してきたヒットメーカーでもある國友さん。バリスタとして、常に進むべき方向性を模索し続けているという彼が、次なるステージとして目を向けたのは、コーヒー豆のセレクトショップだった。

「これまでバリスタは、お客様がお店で飲むコーヒーの味わいを追求してきました。その結果、最近では外で美味しいコーヒーが飲める場所も随分と増えたわけですが、一方で、お客様がお家で飲むコーヒーの部分には、未だに入り込めていないと気づいたんです。毎日、お家でコーヒーを飲んでいる方も多いと思いますが、その味わいに満足している割合はそれほど多くないはず。そう考えたときに、バリスタが世界各地の美味しいコーヒー豆を厳選し、お客様の好みに応じて提供する、セレクトショップのようなコーヒー豆の販売専門店があれば良いなという発想が生まれました」

豆袋にも描かれている、36個並んだ小さな四角形はMameyaのシンボル。実は、豆の挽き具合と味わいの濃淡を表すマトリックスになっていて、好みのフレーバーが視覚的にわかりやすいようにデザインされている。

2017.04.22(土)
文=中山理佐
撮影=佐藤 亘