Eさんがしゃべり続けていた戦慄の内容

 電話越しの相手にしゃべっているEさんの言葉に、何か違和感がありました。

「……なあ、E、お前、なんの話してんだ?」

「……はい、誰かが、はい、試しているんだと、そうです。はい、中が見えたら、ええ、終わりだと僕も感じます」

 かたわらで呻くAさんのことを他のメンバーに任せると、Bさんは背を向けて話し込むEさんに近づいていきました。

「なあ、お前、ふざけてんのか――」

「紙は開くものです! 開いたものは閉じても同じではありません! 僕らも紙を開きました! もう開かれたんです!!」

 突然、絶叫したEさん。

「なので、私は探し出すことにしました。毎日駅前のコンビニの陳列棚の奥や、飲み物コーナーの奥や、求人雑誌の中や、私の方を見てくるやつの瞳の奥もチェックしました。この文章を書くのに黄色を使ったのは目立つからです。私は気づいてほしい。窓は開けるものではなく、向こうがこちらを見るためにあるのです!!」

 Eさんは、あの黄色い紙の束に書かれていた内容をしゃべり続けていたのです。

 絶句していたBさんたちをよそに、叫び終えたEさんは息を整えると、再び何事もなかったかのように電話越しのAさんの両親と会話を続けようとしました。

 Bさんは、思わず彼から携帯をひったくって耳に当てると、息子が怪我をして心配しているであろうAさんの両親をこれ以上動揺させてはいけないと、必死に言葉を探して声をかけました。

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