プロとして生きることを教えてくれたのは亡き夫だった
私の亡き夫、天野滋は、NSPというフォークグループの一員でした。70年代のNSPの絶頂期に知り合い、10年ほどの交際期間を経て、私が28歳のときに結婚。私はもっと早くの結婚を望んでいたのですが、そう運ばなかったのは理由があってのことです。私が大人として出来上がっていなかったのです。
当時、私は漫画家をめざしていました。デザイン学校在学中、新人漫画賞に応募したものの、努力賞止まり。彼のつてで、出版社の漫画編集者について育成してもらえるというチャンスを得、その編集者が担当している漫画家の原稿が間に合わなかった際、穴埋めで私の漫画が雑誌に掲載されたこともありました。しかし後が続きませんでした。才能以前に、努力を怠っていたためです。そんな甘さを彼はお見通しでした。あるとき「おまえが何かになるまで結婚はしない」と宣言されたのです。当時、ファンクラブ会報誌制作の仕事はしていましたが、彼に依存している私の様子がイヤだったのでしょう。
そんなときにたまたま見つけた光文社『JJ』の記者募集。ダメもとで応募して、まさかの合格。そこから私の本格的な仕事人生が始まりました。厳しさ、つらさ、達成感を繰り返し味わっているうちに、仕事の面白さに目覚めました。シンガーソングライターとして奮闘する彼の責任の重さと孤独も理解できるようにもなりました。プロとしての矜持を持つことで大人になれた私は、28歳で結婚。20代前半の甘い心持ちのまま結婚していたら、今の私はありませんでした。
》前篇を読む:それだと老けてみえるかも!? “奇跡の69歳”こと美容ジャーナリスト・天野佳代子が伝授! NGなファンデーションの使い方&「どこの服?」と聞かれるユニクロ
天野佳代子(あまの・かよこ)
1957年東京都生まれ。20代からファッション雑誌の美容ライターに。美容専門誌『美的』のエディトリアルディレクター、大人の女性向け美容専門誌『美的GRAND』の創刊編集長を歴任、40年近く美容に携わる。60代に入り、美容ジャーナリストとして書籍の出版、雑誌やWEB媒体への寄稿、YouTubeチャンネル『天野佳代子の大人美容 【歳をとるのは怖くない】』の配信、テレビ出演など、さらに活動の幅を広げる。著書に『10年前より可愛くなる 大人美容の正解』(主婦の友社)、『何歳からでも美肌になれる!』(小学館)。

『60歳の「キレイの壁」をのりこえる』
定価 1,870円(税込)
主婦の友社
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