母子家庭のうちの場合は「りの字」

寝かしつけパパをまくらにハグのまま目覚めてみれば隣は脚に

――杉浦太陽 作

 いつもパパの腕枕で寝ている息子。寝相が悪くて、朝起きたら逆さまになっています。

 実際に子どもと一緒に寝ている人じゃないと詠めない、リアリティのある歌です。具体的な描写で、その様子が目に浮かびます。

 わざわざ写真に撮るまでもない、日常のよくある光景かもしれません。そもそも腕枕をしているパパは、身動きが取れないし、朝のしたくで忙しいママを呼んで、撮影するほどのことでもない。

 記憶の中にしか残らないこのような光景こそ、短歌にしておきたいですね。

子と我と「り」の字に眠る秋の夜のりりりるりりりあれは蟋蟀

――『オレがマリオ』俵万智

 親が子どもを挟んで「川の字に寝る」という慣用的な表現がありますが、母子家庭であるうちの場合は「りの字」だな、と。秋の夜のコオロギの鳴き声と重なって生まれた歌です。

「夫が寝たあとに」(テレビ朝日系)

藤本美貴と横澤夏子のダブル3児のママの2人がMCをつとめる、家事育児特化型バラエティ。育児や家事、夫に対する本音を語り合い、「わかる~」が止まらない共感トークを繰り広げる。毎週火曜深 夜0:15~放送中。※一部地域除く

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6月4日(木)SGCホール有明にて番組イベントを開催予定
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俵万智(たわら・まち)

1962年生まれ。歌人。早稲田大学在学中より佐佐木幸綱氏に師事。1987年の第1歌集『サラダ記念日』は口語で日常を鮮やかに詠み、280万部を超えるベストセラーとなって社会現象を巻き起こした。1996年より読売歌壇選者。『プーさんの鼻』(若山牧水賞)、『未来のサイズ』(短歌界の最高賞である迢空賞、詩歌文学館賞)、『アボカドの種』など多数の歌集を刊行。論考作品『生きる言葉』、評論集『愛する源氏物語』(紫式部文学賞)をはじめ、評論やエッセイ、絵本の翻訳等の分野でも幅広く活躍している。2023年、紫綬褒章を受章。

みんなの短歌

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