北九州在住の書店員・かぁなっきさんと、彼の後輩であり映画ライター加藤よしきさんのコンビが織り成す、配信サイト「TwitCasting」の人気怪談チャンネル「禍話(まがばなし)」。リスナー投稿や知人から聞いたというおぞましい実話怪談の数々は、放送から10周年を迎えた今も衰えていません。

 今回はそんな禍話から、奇妙な貼り紙があるアパートへ肝試しに行った若者たちが体験したお話をご紹介します――。

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貼り紙のあるアパートで起きた出来事

 思わず尻込みする一同に再び発破をかけたE先輩。

「あんなもんな、例のやばい寮長のババアが、お前が下見しにきたのを見て脅かそうって仕込んだんだよ。なめられてるわけ。そんなん、許せねぇじゃん」

 しかし、入り口のロープを乗り越えて階段に踏み出すと、ミシミシッ……という鈍い音が響いて赤サビがパラパラと落ち、勇み足だったE先輩も、流石に一瞬二の足を踏んだそうです。

 その隙を逃さずUさんが進言しました。

「先輩、階段崩れますってこれ絶対! これ落ちたらシャレにならないっすよ。普通に怪我するし警察呼ばれますよ」

 乾いた目でこちらの度胸を値踏みするように睨みつけてくるE先輩でしたが、“警察”という単語が効いたのか「まぁなぁ~」と聞き入れてくれました。

 結局、E先輩はUさんとAさんを「臆病者」とからかい、2人を周囲の警戒のために車に戻すと、自らは“別の入り口を見つけるため”に、他数名を連れて建物の周囲の探索に出ていってしまいました。

「ったく……付き合いきれねぇよ……好き放題言いやがって……なぁ?」

 文句を垂れながらしばらく車に寄りかかってタバコをふかしていたUさんは、ふと隣のAさんに目をやりました。

「下げたぞ……今下げたじゃん……あのときは違くて……」

 深々とうつむいたまま脂汗をかき、ブツブツとつぶやく独り言。

「おい、大丈夫かよ、お前……」

 そのときでした。建物の向こうから先輩たちが駆け足で戻ってきたのです。

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