「時間」が大量消費されている

 しかし、限られた時間を有効活用して最大の成果を生み出すことは、簡単ではありません。むしろ、現代人にとって大変難しい作業です。現代社会の構造そのものが、私たちの時間を奪うようにできているからです。

 私は米国の金融機関に20年以上勤めていました。そこでの理想のビジネスパーソンの基準は、「いつもオン」であること。素早いレスポンスが求められ、忙しいのは偉いこと、休むのは無駄というメンタルが一般的でした。

 仕事中はチャットやメールが絶え間なく飛び交い、突発的な相談事や対応も日常茶飯事。睡眠時間を削ってスピードと成果を追い求めていました。競争が激しいため、足の引っ張り合いもしょっちゅうで、常に自分の背後を見張っていなければならないような精神状態でした。

 最近はAI(人工知能)の登場でさらに業務のスピードが速くなり、1人に任される業務の幅も広がっています。1つの物事に集中して取り組む時間も、精神的な余裕もない。私たちの人生において最も貴重なリソースである「時間」は、大量に消費され、奪われ、過小評価されている状況なのです。

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