憧れの超ラグジュアリーホテルや生まれ変わった山の上のリゾートホテル、さらには料理自慢の温泉宿から、できれば秘密にしておきたい数室のみの町家宿、海外からのリピーター続出のニューカマーまで。

 ここ3年の間にオープンした、個性豊かな4軒をご案内。自分にぴったりの京都ひとり旅スタイルを見つけよう。

» 第1回 亀岡・湯の花温泉「翠泉」
» 第2回 八条西口「SAKURA TERRACE THE GALLERY」
» 第4回 嵐山「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」

◆ 御旅宿 月屋 <新町五条>

片泊まりの町家で暮らすように過ごす

1階の洋室「三日月」。古い西洋家具やランプが町家に馴染む。

 町家ゲストハウスムーブメントの一端を担った、五条烏丸の錺屋(かざりや)の2号店。築95年の大正時代の京町家を、女将の上坂涼子さんと数名のスタッフが手間暇かけてリノベーションし、昨年開業した。べんがら格子に虫籠窓(むしこまど)、おくどさん(かまど)のある通り庭……。町家特有の造りのまま、レトロモダンなエッセンスを加味した4つの客室のうち、坪庭に臨む和室、大正ロマン薫る洋室、虫籠窓に向かって天井が低くなるツシと呼ばれる中2階の間の3室が、ひとりでも予約できる。

左:坪庭と縁側のある1階奥の和室「弦月」は純和風。
右:朝ごはんは、おばんざい4品と佃煮、漬け物、炊き立てごはんにお味噌汁。

 お楽しみは、女将が手作りしてくれる部屋出しの朝ごはん。東寺や天神さん(北野天満宮)の市で集めた素敵なアンティークの器に少しずつ盛られ、その温もりにほっとする。きっと、「おかえりやす」の声が恋しくなって再訪する人も多いはず。

御旅宿 月屋
所在地 京都市下京区新町通五条下る蛭子町139番地1
電話番号 075-353-7920
料金 1室1名利用 7,000円~(税込・朝食付)
URL http://tsukiya-kyoto.com/
※カード利用可

2015.10.12(月)
text=Yoko Fujii
photographs=Hideya Katsura

CREA 2015年11月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

京都ひとりガイド

CREA 2015年11月号

食べて、遊んで、秋の旅
京都ひとりガイド

定価780円