インドの南東に浮かぶセイロン島は、北海道よりは小さいが九州よりは大きい“光り輝く島=スリランカ”。

 熱帯の小さな島は古代からの歴史と、海のシルクロードや大航海時代に往来した異文化とがブレンドされ不思議な魅力と表情を湛えている。でも、ベースは信仰篤い、温厚でほがらかな人々の笑顔。手先が器用で、教育水準が高くて、きれい好きな国は、幸運に出合う力=セレンディピティの語源となった。

 さまざまな顔を見せるスリランカの中で、4エリアのおすすめステイ先をご紹介します。

 第3回目は緑深き紅茶エリア、ヌワラエリヤ地方。熱帯の国とは思えない涼しく爽やかな気候で知られる高原地帯でのおすすめホテルとは?

» 第1回 【ゴール】城砦都市で“アマン”のホスピタリティを堪能
» 第2回 【文化三角地帯】天才建築家バワの最高傑作ホテル
» 第4回 【コロンボ】レトロで優雅なオールドデイズステイ

■セイロン・ティー・トレイルズ
 Ceylon Tea Trails

風向明媚な避暑地でゆったりと紅茶文化に浸る

湖の静かな景色を楽しみながらのハイティー。伝統的な英国スタイルも美味しいが、スリランカのスウィーツを合わせたハイティーもおすすめ。

 セイロン・ティー・トレイルズは、大きな湖と茶畑に点在するゲストハウス。広大な敷地だからといって、リゾートという殷賑さはなく、ホテルというには、各々のバンガローは小ぢんまりとして親密度が高い。宿泊施設でもあり、紅茶文化のメッセンジャーとしての使命も担うようなところなのだ。

 19世紀後半から20世紀半ばに、かつて英国から訪れた農園主の邸宅として建てられたもので、ゲストハウス的な役割ももっていた。

左:ゲストハウスの中ではいちばん小さいサマーヴィル・バンガロー。女子好みのロマンティックな雰囲気。右:4軒のバンガローのうち、小さなサマーヴィルのプールサイドがいちばん落ち着くかも。読書をするにはもってこいのスペースだ。
湖を眺めながらのひと泳ぎもまた一興。
サマーヴィル・バンガローのラウンジは、英国調クラシックに洗練されたモダンテイストをプラスした感じ。
華やかだがシックなクッションの色や書棚の本も、インテリアの演出に一役買っている。

撮影=小野祐次
構成・文=大沢さつき
コーディネート=橋迫恵(セレンディピティ倶楽部)