インドの南東に浮かぶセイロン島は、北海道よりは小さいが九州よりは大きい“光り輝く島=スリランカ”。

 熱帯の小さな島は古代からの歴史と、海のシルクロードや大航海時代に往来した異文化とがブレンドされ不思議な魅力と表情を湛えている。でも、ベースは信仰篤い、温厚でほがらかな人々の笑顔。手先が器用で、教育水準が高くて、きれい好きな国は、幸運に出合う力=セレンディピティの語源となった。

 さまざまな顔を見せるスリランカの中で、4エリアのおすすめステイ先をご紹介します。

 第4回はこの国最大の都市、コロンボ。高層ビルが立ち並ぶ都会に残るコロニアル・スタイルのおすすめホテルは?

» 第1回 【ゴール】城砦都市で“アマン”のホスピタリティを堪能
» 第2回 【文化三角地帯】天才建築家バワの最高傑作ホテル
» 第3回 【ヌワラエリヤ】古きよき紅茶文化に浸る休日

■マウント・ラヴィニアホテル
 Mount Lavinia Hotel

19世紀はじめの空気感を味わうレトロなステイ

エントランスのバレットパーキングのスタッフも、昔ながらの制服制帽を身にまとい、ホテルのクラシックな雰囲気づくりに貢献している。

 コロンボ市内から車で約20分の郊外。かつて英国総督の別荘だった建物。ヴィクトリア朝の風情を醸すマウント・ラヴィニアは、スリランカでも有数のコロニアル・ホテルだ。

 真っ白なユニフォームを着たドアボーイがゲストの到来を待ち、ベルボーイたちがかしずくようにバゲージを運ぶ。ホテルに一歩入っただけで、軽く1世紀はタイムスリップするような。クラシックなたたずまい。どこか懐かしい、フェミニンな空気が辺りを包む。

プールの向こう海越しに、コロンボ市内の高層ビル群が見える。
客室はシンプルシックで大人の雰囲気。コンパクトにまとまっていて使いやすい。

撮影=小野祐次
構成・文=大沢さつき
コーディネート=橋迫恵(セレンディピティ倶楽部)