俳優として、鋭さや影をまとった人物を数多く演じてきた森田 剛さん。最新主演作『見上げてごらん』で演じるのは、42歳になってもマンガ家になる夢を諦めきれずにいる土屋輝一。後輩への嫉妬や家族とのすれ違いを抱えながら、思うようにならない人生に向き合う土屋を、森田さんは「人間くさい」と語ります。役へのまなざしから、二人の監督と重ねたユニークな現場、誰しもが抱える悩みについても伺いました。
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演じた役は、監督のキャラクターそのまんま
――森田さんが演じた土屋は、42歳になってもマンガ家になる夢を諦めきれず、先にデビューした後輩に嫉妬する一方、娘の前では父親としての優しさを見せます。そんな不器用で人間くさい土屋という人物を、どのように捉えて演じましたか?
人間くさいっていうのかな。ちょっと面倒くさいところもありますけど、ちゃんと愛があって。どこか憎めない愛おしいやつだなと思いましたね。
たぶん、この土屋って、監督の森本(晶一)さんなんですよ。今回監督は森本さんと佐藤(快磨)さんの二人体制なんですが、脚本は森本さんが書いているので、きっとそう。森本さん本人を見てもらえればわかると思います。同じじゃん! って思うはず。
――監督が二人体制で撮影することで、普段の現場とは異なる点はありましたか?
一対一で話しているよりも、違う視点の意見が加わることでより良くなる感じはありましたね。一度「これでいこう」って決まったことも、さらに深まっていくというか。アイディアもどんどん膨らんでいきますし、個人的にはすごくいい体験でした。
森本さんと佐藤さんは、常に一緒にいるんですよ。俺の見えないところでも、ずっと2人でいて。藤子不二雄みたいな感じなのかな。先輩と後輩という関係らしいので、すごく気が合うんでしょうね。お互いを信頼していて、この作品のために一つになってくれているのは、現場にいるあいだナチュラルにずっと感じていました。
