名古屋市・有松で約400年前に生まれた匠の技が現代のドレスに取り入れられ、花嫁を魅了している。

 有松絞りの多彩な表情はどのように生まれるのか。ドレスはどう輝くのか。美しき調和の秘密を紐解く。


 喧騒の名古屋駅から車で30分程走ると、江戸時代にタイムスリップしたような町並みが現れる。有松は、日本が世界に誇る伝統工芸 “有松絞り”発祥の地。中心を走る東海道沿いには “絞商”として栄えた有形文化財が建ち並び、ここを往来する旅人の土産物として、町とともに発展してきた。

 綿などの布を糸で括り、縫い、畳み、染め、艶やかな凹凸と柄を創り出すその技は、すべて職人の手によるもの。江戸中期には100種以上、今も60種ほどの技法が受け継がれているという。

 その開祖、竹田庄九郎の名の下、1608年より営まれる竹田嘉兵衛商店と協業し、昨年より有松絞りを取り入れたドレス制作に取り組んでいるのが「ミラー ミラー」だ。日本屈指のウエディングサロンの美しく尊い提案が、今、花嫁たちを魅了している。

 「有松絞りは世界に誇る素晴らしい文化。が、職人の高齢化や後継者不足を目の当たりにし、このプロジェクトを考えました」と語るのは、ミラー ミラーのプロデューサー、野上ゆう子さん。有松絞りの魅力は、縫い、括り、畳み、ヒダ取りなどによる多彩な表現だという。また職人ごとに得意技があり、個性が風合いになるというのも興味深い。

「立体感、深みのある陰影はモダンなウエディングドレスと相性抜群です」

丁寧に絞られた布をシフォンやサテンなどドレスの定番素材と合わせ、魅力的なシルエットやディテールを創り上げてゆくのは、熟練のクチュリエだ。

 絞り布をボディに当ててチェックを重ね、完成まで詰めてゆく作業も、絞り職人同様に卓越した技と感性を要する。400年の伝統技と愛のドレスが出会い、たおやかに花嫁の未来を照らす。

ミラー ミラー 表参道

電話番号 03-6427-1811
https://www.mirrormirror.jp/

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。