撮影というより、きつい部活だった「サンクチュアリ」の現場
――『ヴィレッジ』(23年)では、空手家でもある横浜流星さんとのアクションシーンも印象的でした。格闘家出身同士の立ち回りはいかがでしたか?
お互いに信頼し合っていることを、拳を通じて感じましたね。通常、アクションシーンであっても、相手に直接当てることはないのですが、どうしても当てなければいけないシーンがあって。
横浜さんが「当てていいです。これで避けるんで」とサラッとキックボクシングの防御技(スリッピング)をされたので、「え、スリッピングできるの⁉」と驚いたのを覚えています。またいつか、一緒に戦ってみたいですね。
――そして、世界的な大ヒットとなったNetflixシリーズ「サンクチュアリ -聖域-」(23年)の主演に抜擢され、猿将部屋の力士・猿桜を演じられました。
今振り返ると、あれは撮影というよりも、きつい部活をやっているようでした。さらに言えば、本当に相撲部屋に入門したような感覚です。相撲部屋はキックボクシングのジムとも違いますし、土俵の上でできることといえば、兄弟子に胸を借りること。そして、神様に身を捧げる。何より過酷でしたが、だからこそ共演者みんなとの絆は深まりました。
――今、改めて振り返ると、一ノ瀬さんにとってどのような作品だったといえますか?
本当に、江口(カン)監督のおかげです。Netflixが莫大な予算を投じて力を入れている作品なのに、イケメンでもない、無名の俳優を主役に抜擢するなんて、ほとんどギャンブルに近いじゃないですか(笑)。それなのに江口監督は僕を信じて起用してくださった。その期待だけは、絶対に裏切るわけにはいかないという強い思いでやり切りました。
