MINAKI(ミナキ)というラグジュアリー日本酒ブランドをご存じだろうか? MINAKIは、日本酒が人の記憶や感情に深く残る存在であることを信じて、味や香りだけでなく、購入方法や楽しむ環境、最適なグラス、提供の仕方などすべての体験を丁寧に設計。原料や製法の先にある“どんな余韻を届けたいか”から逆算し、唯一無二の存在感を追求しているブランドだ。

 IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門を含む6つの国際品評会でも入賞し、実力も折り紙つき。特別な瞬間にふさわしい品格と余韻を宿す存在として、日本酒の新たな可能性を切り拓いている。

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日本酒の常識を超える熟成表現を追求

 そんなMINAKIが、今春、限定酒「幻響(げんきょう)」を発売した。果たしてMINAKIは、「幻響」によって日本酒のどのような可能性を探究しているのだろうか?

 「幻響」の開発は、日本酒の常識を超える熟成表現をつくり、ワインやウイスキーを愛する人々にも、新しい角度からの日本酒の魅力を届けたいとの想いからスタートした。

氷温環境でゆっくりと熟成

 ベースになっているのは、精米歩合17%の山田錦、つまりは玄米の表面を83%も削り取り、残りのわずか17%から造られた純米大吟醸だ。それを白ワインを熟成したあとのフレンチオーク樽で熟成。さらにマイナス2℃から3℃の氷温環境でゆっくりと熟成を進め、香味を緻密に整えている。

 目指すのは、樽由来のほのかなバニラ香と木のニュアンスを纏いながらも、ロースト感を抑えた軽やかな味わいだ。樽内熟成は約7ヶ月間。一本ごとの官能評価、いわゆる“きき酒”で、最良の瞬間を見極め、300本限定で瓶詰めされた。

 開発で最も重視されたのは、香り、旨み、余韻のバランスだ。樽の個性を強調しすぎると日本酒らしさが薄れ、抑えすぎると新たな日本酒を生み出すという挑戦の価値が伝わりにくい。その繊細で絶妙なラインを設計するために、白ワインを一年以上寝かせた特別な樽を選び、樽の内部を一定の温度で加熱するトーストも控えめに調整されている。

熟成のフェーズごとに頻度の異なるテイスティング

 さらに熟成のフェーズごとにテイスティングの頻度をあげていき、最終的には毎日、味わいを確認しながら、ピークの瞬間を切り取る思想で運用されている。この一本ごとに見極めるオペレーション自体が、限定酒としての再現性、しかも毎回同じ味を狙うのではなく、最高点を狙うことを担保する。まさに一期一会の一本なのだ。

 だからこそ、従来の日本酒のイメージを更新する一本として、ワインやウイスキーの樽香や熟成香が好きで、重さよりも透明感のある余韻を求める人にこそ飲んでほしい。できればワイングラスで飲むことで、その真価をより強く実感することができるだろう。

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