「頭悪っ！」「器が小さい…」マッチングアプリで恋愛が続かない53歳女性のお悩みに、ジェーン・スーと堀井美香が神回答【OVER THE SUNのお悩み相談室】

この記事の連載

　ラジオでの相談回答数はなんと2000件超え。今やすっかり人生相談の名手となっているジェーン・スーさんと、もはや相棒といえる存在の堀井美香さん。

　ふたりの軽快なクロストークは幅広い層に人気で、Podcast番組「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」では、ふたりが本音を交えて繰り出す、ユーモアと深みのある回答がリスナー（通称「互助会員」）を魅了している。

　ふたりが読者のお悩みに答えます！

【相談】恋愛してもすぐ冷めてしまう

【お悩み】
離婚して5年。20年以上ぶりの恋愛リハビリのつもりでマッチングアプリを始め、沢山の人と会い、数名とはお付き合いしましたが、数ヶ月経つとその人の器の小ささや、「頭悪っ！」ということに気づき、熱が冷めてしまいます。自分が食べていくには困っていないためか、パートナーシップを「頑張って」育てようという気持ちになれず、1年も関係が持ちません。平均寿命を考えると6つ下のパートナーだと同じ頃死ねるのかなと思ったりしますが、40代後半の男性のプロフィールを見ると、まだまだ子どもが欲しい方が多く、そうでない方を探すまでの気力もなく……。そもそも課金をしていない時点で、真剣度が低い自認もあるのですが、大好きなおふたりにお返事頂きたい目的で相談を送ります。
（53歳・女性・土壇場力なら任せろさん）

スー　いやあ、すごいね！　ペンネームが「土壇場力なら任せろ」さんな時点でもう何も心配することないなと思いました（笑）。離婚して5年、フリーでいらっしゃるということは、もう「我慢したくない」わけじゃないですか。関係を続けていくことを最優先事項にして、いろんなことを呑み込んだり、自分を削ったりということを「しない」選択をした人が、今からまたパートナーシップを「頑張って育てていこう」なんて気持ちにならなくて当然です！　今の状態、超ナチュラルですよ！

　課金なんてしなくたっていいし、なんなら1年ごとに相手を替えていったっていいんです。だって「結婚20年選手」が20年かけて頑張って育てたものが、最終的にいらなかったんですよ？　相手のために「私も悪いところがあるから……」みたいな感じで堪えてきて、自分を抑え込んできた後なんだから、もうちょっと自分本位に自由に生きてみる時間があって全然いいんです。相談者さんが自分で食べていけている方だとしたら、余計にそう思うな。

堀井　これ別にパートナー＝男性ということだけではなくてね。

スー　そうですね。

堀井　例えば犬とか友情とか、育てられるものっていろいろあるじゃないですか。それがボランティア団体とかでもいいと思うんですけど、自分が力を入れて育てたら自分が幸せになれるパートナーというのを、恋愛対象以外に見つけてみる、というのはあるかもしれませんね。

スー　いいこと言うね！　人はひとりでは生きられないけれども、恋愛する相手がいたからといって、それがすべての意味で頼りになるわけではないので。

堀井　恋愛対象には、どうしても何か見返りを求めてしまうしね。ペットがいい例だけど、こちらが一方的に無償の愛を注げて、自由に成長してくれるような対象に目を向けてみるとかね。

スー　そうだね。もしもまた「割れ鍋にとじ蓋」みたいな相手が現れてくれたなら、一緒になってもいいし。でも今度は、心の距離が近くなりすぎたら少し離れたり、会う頻度を下げたりとかして、お互いに憎み合わない距離感を保ったほうが良いですね。あと、「6つ下のパートナーだと同じ頃死ねるのかな」という発想は面白いけど、人を人ではなくロボットか何かみたいに思う考え方はやめましょうね（笑）。

堀井　真剣度が低いとのことですが、これくらいの気軽さのほうが、うまく回ったりするんですよね。

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ジェーン・スー

1973年、東京都生まれ。TBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」、Podcast番組「となりの雑談」パーソナリティとして活躍。近著に『闘いの庭咲く女彼女がそこにいる理由』（文藝春秋）、『へこたれてなんかいられない』（中央公論新社）などがある。

堀井美香（ほりい・みか）

1972年、秋田県生まれ。2022年3月にTBSを退社しフリーランスに。様々な番組・CMでナレーションを担当する一方、自ら朗読会を主催するなど、多方面で活躍する。初主演を務める舞台『フェードラ―炎の中で―』が6月26日より東京・水戸で上演予定。

Podcast「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」