スティーブン・キング・著、白石 朗・訳の『ビリー・サマーズ』(上・下巻/2024年4月8日発売)が、2025年5月15日に東京都千代田区の日本出版クラブで開催された選考会の結果、「第78回日本推理作家協会賞・翻訳部門」(愛称「Double Copper Award」)を受賞しました。

日本推理作家協会では、協会創設以来の歴史を誇る「日本推理作家協会賞」に「翻訳部門賞」を設け、その年に日本国内で刊行されたもっとも優れた海外ミステリを選び、作者および翻訳者を表彰しています。



■白石 朗さんからの「受賞のことば」

栄えある日本推理作家協会賞・翻訳部門(愛称「Double Copper Award」)にスティーヴン・キング『ビリー・サマーズ』が選ばれたこと、翻訳者として心から喜んでいます。凄腕の暗殺者による最後の仕事をテーマにしたスリリングなクライムノヴェルではじまった本作は意想外の展開をたどり、やがて「小説を書くこと」のすばらしさを高らかに謳いあげて幕を閉じます。『キャリー』での鮮烈なデビュー以来50年の長きにわたって第一線でいまなお活躍しつづけるベテランによる小説讃歌といえる本作が、小説のプロである推理作家協会により顕彰されたことに感慨を禁じえません。選考委員諸氏をはじめ賞の運営にたずさわる協会員の方々、版元・文藝春秋のみなさん、本作をお読みになった読者諸兄姉に深く感謝するとともに、数多くのすばらしい作品を送りだしてきた作者のキング氏にあらためて敬意を表したいと思います。


■受賞者プロフィール

スティーヴン・キング(Stephen King)
1947年、アメリカ、メイン州生まれ。1974年に『キャリー』で作家デビュー。恐怖小説をアクチュアルな現代小説に再生した「モダン・ホラー」の巨匠。主な作品に『呪われた町』、『シャイニング』、『アンダー・ザ・ドーム』、『11/22/63』などがあり、『ミスター・メルセデス』、『ビリー・サマーズ』ではミステリーや犯罪小説の分野でもその手腕を見せつけた。ブラム・ストーカー賞、世界幻想文学大賞、エドガー賞など多数の賞を受賞。『スタンド・バイ・ミー』、『ミザリー』、『ショーシャンクの空に』、『ミスト』など多数の作品が映像化されている。

2025.05.22(木)