『シン・ゴジラ』の面白さ

深緑:ゴジラの映画に関わることになった時、どう思われましたか? 

野島:みんな知っているシリーズだし海外の人も見るだろうから、今までやってきたことに加えて、何か新しいものを開拓しないとなという感じでした。

深緑:ゴジラへの思い入れはありましたか?

野島:『シン・ゴジラ』がめちゃくちゃ好きだったので、それを超えるとかじゃないですけど、爪痕を残さなきゃみたいには考えていました。

深緑:『シン・ゴジラ』は、どういったところがよかったんですか?

野島:物語とカット割りの感じや、アングルの面白さ、超シンメトリーな画面とか。あと、ゴジラの造形デザインもいいし、光線の出し方もすごい。俯いたゴジラから自然と吐き出されるように煙が出てきて、それがだんだんと火になっていって、最後はドーン! と光線に変わるところとか、「ああ、おもしろ!」みたいな。ハリウッドゴジラって、もうちょっと人間味があるじゃないですか。「オラァ!」、「てめぇ!」みたいな。それよりも生物的な神秘を感じました。

深緑:日本のゴジラは神様っぽいかもしれないですね。

2025.04.10(木)
文=野島達司,深緑野分