我慢してしまう女性も

――原さんは、女性特有のがんを患った方の交流会「よつばの会」を主宰していますが、性に関する悩みを持つ方は多いのでしょうか。

 人によって、様々ですね。「夫と話し合って性行為はなくなったけど仲良くしている」という方もいますし、「肉体的には辛いけど、旦那さんや彼氏のために性生活を失いたくない」と懸命に努力されている方もいます。

 性行為をすると膣に痛みがあるのをパートーナーに言えず、我慢して性行為をしたら大量に出血してしまったという方もいました。その方自身も、相手の方も深く傷ついてしまったそうです。また、性行為がうまくいかなかったことで、彼氏に冷たい態度を取られて、自分の気持ちに蓋をするようになってしまったという話もありました。

――性行為が困難になるのは、どんな原因があるのでしょうか。

 個人差がありますが、例えば卵巣を摘出すると、女性ホルモンのバランスが大きく変わります。そのため、30代でも更年期障害が起きたり、膣分泌液の量が減って、濡れない状態になることがあります。膣が乾燥していると挿入したとき傷つきやすくなるので、痛みを感じたり、出血したりすることがあります。また、「性行為をしたい」という気持ちが起きなくなったという方もいます。

 また、手術で子宮や卵巣を取り除く際に、膣の一部を切り取ることになります。膣が短くなってしまうので、挿入した時にパートナーが「これ以上入らないの?」と気づいて戸惑うケースもあると聞きます。

2025.02.15(土)
文=都田ミツコ