こんにちは、“おじさん俳優”推しのドラマウォッチャー・斎藤真知子です。
今回も、この演技とキャラクターは見逃せない、見逃したくない! というおじさんキャラと、演じる俳優たちを3名厳選してご紹介します。
ちなみに、このコーナーでは“おじさん俳優”を、40歳以上と定義してます。
》第1回:『民王Ⓡ』の遠藤憲一
》第2回:『あのクズを殴ってやりたいんだ』の渡部篤郎
◆胡散臭くて悪い顔が似合い過ぎる!
『Qrosの女 スクープという名の狂気』の哀川 翔
アイドルグループメンバーの不倫、人気落語家の裏での壮絶なハラスメント問題、大人気シンガーソングライターのゴーストシンガー疑惑などなど、現実世界でも聞いたことがあるような既視感を覚える芸能界のゴシップや、ファストファッションブランド「Qros」のCMに出演する謎の美女「Qros の女」の正体を暴くため、芸能記者たちのスクープ合戦を描いている、ゴシップエンターテインメント『Qrosの女 スクープという名の狂気』(テレ東系)。
誉田哲也氏の同名小説が原作で、毎話、題材になっているゴシップが妙にリアルなところも面白く拝見しています。
主役の週刊誌記者・栗山孝治役の桐谷健太さんは、スクープを連発する「週刊キンダイ」の敏腕記者。飄々としながらもこっそり録画・録音をしていたり、ヤバい状況になったら間髪入れずに土下座して逃げる道を確保するなど、軽妙さとしたたかさを存分に感じさせてくれています。
さらに推したいのは、ブラックジャーナリストの園田芳美という、ちょっと変わり種の役を演じている、哀川 翔さん(以下翔さんと呼ばせていただきます)!
会社に属さずフリーランスで、公式の説明をお借りすると、「ガセネタやゴシップで芸能事務所から金銭を脅し取るブラックジャーナリスト」というキャラクターです。
どういう人なのか、が明らかになったのが、第1話のエンディング近く。アイドルグループのセンターメンバーのスキャンダルを出さないために、別のメンバーの不倫ネタを出せばいい、とマネージャーにアドバイスしていたのは、なんと園田でした!
マネージャーはアドバイス通りに、別メンバーのスキャンダルを週刊誌に差し出し、グループ自体は解散などを免れたので、その謝礼を受け取った園田(翔さん)。受け取った封筒をひっくり返して中に入っていた札束を落っことし、何を言うかと思えば「あ~落ちちゃった、なんでだ? あ~隙間があんのか。もっと入るな」。
要するにもっとよこせと言ってるわけです。わ、悪い(笑)。
渋々マネージャーがさらにお金を封筒に入れても、パンパンになるまで「まだまだ」と要求。別エピソードの中でも、情報を伝えてお金が振り込まれると「ちゃり~ん」とつぶやいていたりして、とにかく何はなくともお金第一主義というキャラ。
ただ、主役の栗山とは因縁もあるようだし、終盤に向けて園田の真実がさらに判明するのかもしれません。
2024.11.24(日)
文=斎藤真知子