私が今までに見たアウトドアの「忘れられない景色」

「まずはアメリカのロングトレイル『ジョン・ミューア・トレイル』を訪れたときの景色です。全長340キロメートルもあるトレイルですが、私はそこまでの体力はないので(笑)、セクションハイクという一部を歩くスタイルで。4日間、湖が点在するエリアをテント泊で歩きました。夜は、星が空いっぱいにざわめいていて、初めて“星が重い”という感覚を覚えました。湖の向こうに見えたバナー・ピーク(標高3943メートル)は、雪渓の部分が微笑んだ目のようで顔に見えてきて、大自然にハグされている感じでした」

「もうひとつは、ニュージーランドのテカポ湖へ行ったときの風景です。『マウンテン・デイジー・プロダクツ』の名前の由来になっているお花のマウンテン・デイジーは、ニュージーランドの高山植物なんです。フォトグラファーと一緒にブランドのビジュアル撮影で現地を歩き、素敵な風景に出会えました。いやあ楽しかったなあ。行ってみたいなと思うところは、憧れが憧れじゃなくなる前に、足を運ぶようにしています!」

――そんな四角さんがアウトドア初心者に伝えたい、「アウトドア半径を広げるコツ」とは?

 「アウトドアは体を動かすことだと思われがちですが、実際は心を動かすことだと思っています。心が動く瞬間を大切にすれば、毎日の駅への道のりでも近所の公園でも十分にアウトドア。私自身は山登りを始めて20年くらいになりますが、子どもの頃から体力も運動神経もなくて(笑)。

 きっかけは、長野・上高地をピクニックで訪れたこと。山の景色や川の水の冷たさにとても感動して、この奥へ行ってみたいって。『きれい』とか『気持ちいい』とか子どもの頃のようなボキャブラリーしか出ませんでしたが、心が動き出して“自分”が帰ってくるような感覚がありました。自然に触れて、心が動く、そして五感が動き出すという感覚を大切にしたらすごく楽しいと思います」

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Column

【アウトドアブランド社員に聞く!】外遊びを楽しむための必携リスト

ちょっと遠出してキャンプやハイキング、身近な自然でバーベキューやピクニック……そんなアウトドアの時間をいっそう楽しくしてくれるのが、機能的で素敵なアイテムたち。でも数多く発売されているアウトドアグッズの中からどれを選べばいいのか迷ってしまう。そこで外遊びの達人である、アウトドアブランドの社員たちにおすすめを聞いてみよう。

2024.09.30(月)
文=一ノ瀬 伸
撮影=鈴木七絵