山崎貴監督が選ぶゴジラ映画ベスト3

――山崎監督のゴジラ映画ベスト3を教えてください。

山崎 まず圧倒的に初代『ゴジラ』ですね。次は『シン・ゴジラ』(16年)、そして『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(01年)です。共通してるのは怖い存在だということ。子供の時の印象が大きいので、やっぱりゴジラはあまりいい人であってほしくないという(笑)。心から怖いと思えるゴジラが出てくる3作品です。

東宝から「そろそろゴジラ、どうですか?」

――『ゴジラ–1.0』に参加されたいきさつをお聞かせください。

山崎 4年ほど前に東宝さんから「そろそろゴジラ、どうですか?」と普通にお話が来ました。以前『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(07年)でゴジラに出てもらったことがあったので、その流れもあったと思います。『シン・ゴジラ』が出来すぎていたので、次はふつう嫌がりますよね(笑)。ここでゴジラの火を消したくない、という思いもありました。それに、『続・三丁目の夕日』の時はゴジラのシーンにVFXチームの半分がかかりきりで半年もかかりましたが、ソフトやマシンパワーも増強しているので、理想的な形でゴジラが描けるというのも大きかったですね。

――西武園ゆうえんちの「ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦」より先ですか?

山崎 ちょうど『ゴジラ-1.0』の企画をトップシークレットでしている最中にライドの話が来て、「なんで?」と思いながらも、ライドはライドで最新技術を投入できるし、お互いに良いだろうと思ってお受けしました。怪獣映画をやりたいと思い続けていたら、急に怪獣映画の仕事ばかりになって不思議な感じでした。

 

「僕の中でゴジラは戦争が歩いているような存在」

――戦後という舞台設定はどのように生まれたのですか?

山崎 もし自分が『ゴジラ』を撮るなら…と昔から考えていたものです。というのも、僕の中でゴジラは戦争が歩いているような存在なんです。特に1作目はゴジラを戦争の象徴として描いた反戦・反核映画ですから、そこは踏襲したいと。戦後の何もない時代、ゴジラとどう戦うのかを考えると映画的に面白そうじゃないですか。戦い方に関しては、『アルキメデスの大戦』(19年)の時に監修をしていただいた後藤一信さんと話し合いながら作っていきました。

2024.03.20(水)
文=神武団四郎