カッコいいシニアの楽しみ方を提案していきたい
――現在58歳と伺いましたが、60歳を迎えるにあたって“壁”のようなものはありますか?
壁は感じてないのですが、自分が60歳になるまでにはやっておこうという目標はあります。ライブとかそういったことなのですが、ツアーマネージャーもバンドマスターも同い年なので、「俺たち、60歳までは何とか毎年ライブを頑張ろう!」と話しているんです(笑)。
でも私は、そのあとは一旦白紙にしようかなと思っていて。「何がしたい」と考えないことにするつもり。その60歳のライブが終わったときに、「私は何をやりたいと思うんだろう」というのを楽しみにしているんです。自分が自分に“サプライズ”という感じかな。
どんな心境になるんだろう、もっと歌いたいと思うんだろうか、もしかしたらちょっと本格的にもう一回文章に向き合ってみるという可能性もあるかもしれません。または、「あ、おばあちゃん役が来た! やった」と思うのか、それとも「野菜とか作りたいなあ」と思うのか……。それを楽しみにしているんです。
――60歳というのは、まだまだ若いですからね。
そうなんです。だから、今もシニアの楽しみ方を色々と提案していて……。J-WAVEで近田春夫さんとラジオをやっているんですが、近田さんと『BAD MORNING! CLUB』という朝活イベントをもう2回ほど主催しているんです。
朝8時オープンで、フリマとライブとDJが入る、そういうイベント。1月に開催したときは笹塚ボウルでやったので、ボーリング大会とお餅つき(笑)。すごくカッコいい音楽がずっと流れて、参加者の方たちを見ていると、とても楽しそうにしているのが嬉しくて。
あとは私のちょっと先輩や同世代の人にもオシャレで可愛くて、カッコいい人がいっぱいいるから、そういう女性たちと集まって何かやりたいねというのを考えています。もうわりと具体化しそうなんですよ。
私は若いときから同世代に向けて、「こんな音楽すごくカッコいいよ」「この人のファッション、イケてるよね」というのをずっと発信してきたので、これから先も「こんなふうに楽しもうよ」というのをまだまだ提案したいなって思います。
――同世代の女性はもちろん嬉しいと思いますし、きっと若い世代も引きこまれそうですね!
私も「同世代が分かってくれればいいや」と思っているのですが、そういう考えで行ったことに、不思議と若い人たちも興味持ってくれるんですよね。いつもそう。
むしろ、私たちが企画を考えるときに“若い子にウケる”ことを考えてはダメなんです。自分たちが楽しめることを「わあ、楽しい!」ってやっていると、若い人たちが「面白そう!」ってきてくれるんですよね。それは60歳まではしっかりやっておきたいですね。
2024.03.13(水)
文=前田美保
撮影=深野未季
スタイリスト=藤谷のりこ
ヘアメイク=石田あゆみ