沖縄県那覇市にある沖縄県立博物館・美術館は、名前の通り博物館と美術館が併設された沖縄の歴史、文化、芸術を味わえる複合施設。展示の内容もさることながら、実はこの施設の3階に、飲食を楽しめるとっておきのくつろぎスポットがあることをご存じですか? それがミュージアムカフェ「カメカメキッチン」です。


入館料なしでフラッと入れるのが嬉しい

 「カメカメキッチン」は2017年の春、この博物館・美術館のリニューアルを機にオープン。ミュージアム施設内にありますが、入館料は必要なく、しかも駐車場は無料。フラッと気軽に立ち寄れるため、両館を利用する人のみならず、地域の住民や観光客など幅広い人たちに愛されています。

神殿を思わせる荘厳な内装デザイン

 施設全体のデザインは、沖縄の城(グスク)をイメージ。それはカメカメキッチンも同様です。店内には丸くて太い大きな4本の柱が屹立。北東側の壁面が格子状になっているため、やわらかな陽の光が時間帯によって強弱や長短をつけながら、店内を照らします。まるで神殿のような荘厳さすら漂わせる特別感たっぷりの雰囲気がたまりません。

見事なチョークアートが多くの人を惹きつける

 入口すぐの場所には料理やドリンクを注文するカウンターがあります。上部を飾るのは美しいチョークアート。実はこれ、かつてこのカフェでアルバイトをしていた沖縄県立芸術大学の大学院生が描いたもの。空間を楽しく彩ります。

 店名のカメカメは、うちなーぐち(沖縄の方言)で「さー食べて、食べて」を意味する「カメー、カメー」からとった言葉。だからこそカメカメキッチンは、フードもドリンクもおもてなしの心に満ちたものばかりです。

2023.09.03(日)
文・撮影=石川博也