伝統と新しさを融合した可愛くて美味しい中華菓子

 淡水河の畔に位置する迪化街。古い家並みが続くこの街に、最近は老家屋をリノベーションしたカフェやショップが増えており、行楽客に人気のエリアとなっています。

  この迪化街の北側に位置するのが、1895年に創業した中華菓子の老舗「李亭香」。少し前までこの一帯は人通りが少なく、やや寂れた印象がありましたが、ここ数年は若い世代が地元に戻って店を開いたりすることも増え、活気を取り戻しつつあります。

 「李亭香」の五代目である李佳陽さんはエンジニアでしたが、数年前に家業を継ぎました。「年配者だけでなく、若い世代にも伝統菓子に親しんでもらいたい」と願い、商品パッケージの刷新やオリジナルグッズの販売、店舗の改装など、様々な試みを続けています。

 店内は2020年に改装され、一見、洋菓子店やベーカリーにも見える洗練された雰囲気。「店内でゆっくりと伝統菓子を味わってほしい」ということから、カフェも併設しています。

 アンティーク家具が並ぶ店内では、自社商品のお菓子に飲み物を組み合わせたセットメニューのほか、昔ながらの「杏仁茶」なども楽しめます。

 商品パッケージはいずれも明るく可愛らしいデザインとなっており、新商品も次々に開発されています。

 看板商品である亀形のピーナッツ菓子は、金紙でくるんだ新バージョンも登場し、話題となっています。

 さらに、「猫派」という名の中華パイも発売。迪化街は猫が多いことから発想を得たというお菓子は、伝統的な工法により27層のサクサクとした生地の中に求肥を入れています。

 そのほか、女の子をモチーフにしたパッケージが印象的な「少女A」という新シリーズも。このシリーズでは、煎餅やクッキーなども扱っています。

 バラエティに富んだお菓子が楽しめ、一個単位でも購入できるので、ぜひ色々な味を試してみてください。

2022.11.27(日)
文・撮影=片倉真理