●タンパク質はどれくらい取るべき?

 そこで、プロテインなのですよ。

 以前栄養についての取材をした時に、「タンパク質をしっかり取るだけでも、筋肉になる」という説を聞いたことがあったのです。

 特に女性の場合は、普段の食事でタンパク質の摂取量が足りてない人も多いので(→注参照)、「タンパク質を取ることがイコールボディメイクになる」説があるのです

 (注・医師や食品メーカーなどの専門家が参加した「タンパク質と栄養に関する研究会」で見せていただいたデータに、30代以上の女性で「タンパク質が足りてない人」は、一定数ありました。なお、足りている一部には多すぎ傾向の層もあり、平均値を取っても意味がないという印象を受けました)。

 では、いつどれくらい、どう飲むか。

 しっかり考えるために、そもそも「毎日どれくらいタンパク質を取るべきか」をおさらいしておきましょう。

 厚労省が出している「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、成人女性は1日に最低50gのタンパク質を取ることが推奨されています。

» 「「日本人の食事摂取基準」策定検討会」の報告書を取りまとめました (mhlw.go.jp)

 とはいえ、これはいわば生命維持に必要な最低量。

 実際は「もっと多めが良い」とされ、美容やボディメイクを意識するなら、1日に「体重1㎏あたり1、2%以上のタンパク質を取るべし」とも言われます。

 つまり、体重50キロなら、1日に60g以上です。

 60gといっても、タンパク質の多い食品、たとえばささみなどを「60g取ればいい」というわけではありません。タンパク質が多いとされている食品は、タンパク質の含有量が多いというだけで、100%タンパク質でできているわけではないからです。

 たとえば、ささみだと100g中のタンパク質量は23.9g。つまり60gのタンパク質をささみだけから取りたい場合、およそ300g弱を食べる必要があるのです。

 しかも、一気に60g取ってもすべてが吸収されるわけではありません。

 個人によって吸収力に差があるとは思いますが、成人女性は一般には、一度の食事で20~30gのタンパク質を摂取すると(吸収力的には)ちょうどいいとも言われます。また、「継続的に供給する」という意味でも、数回に分けるのは望ましく、朝からしっかりタンパク質を取るのはとても大事なのです。しかもしっかり消化・吸収するためには栄養バランスが大事だと思うにつけても、食事を3回に分けて取るのは、実は理にかなっているのです。

 また、最新の研究では、タンパク質の吸収能力は年齢が上がると「下がる」と言われ始めています。だから、20歳の頃と同じ量を取っても、吸収される分量は減っている……。そう考えると、タンパク質は若い頃よりも意識して多めに摂取する必要があります。なんせ、足りないと、身体の大事な筋肉から使われてしまいますから。

 さらにうんちくついでに書いておきますと、かといって、炭水化物抜きの食事がいいというわけでもありません。炭水化物が不足すると、炭水化物のすべき仕事をタンパク質が代わって行うことになり、タンパク質の重要な仕事である身体をキープすることなどがおろそかになってしまうため、髪や肌が荒れるばかりか、筋肉が減ったり、内臓の働きが衰えたりする恐れがある……という説もあるのです。

 まあ、栄養に関しては諸説ありますが、私自身は、食事は炭水化物もタンパク質も脂質もしっかり取ってこそ、美容効果があると思っています。ですから、今回のプロテインもあくまで補助として、普段の食事にプラスしました。

 ということで、次回はプロテインを飲んでからの体重と体脂肪率の変化についてご報告します。運動アリの時とナシの時でも違いが見受けられたので、お楽しみに。

にらさわあきこ

文筆家、美容研究家。NHKディレクターを経て、文筆業に。恋愛や結婚、美容について取材・執筆を続ける中、2019年から美容活動を強化。簡単&ラクに綺麗になるための情報をブログやインスタ、雑誌ウェブなどで発信中。著書に『未婚当然時代』(ポプラ新書)。『婚活難民』(光文社)『必ず結婚できる45のルール』(マガジンハウス)など。
インスタ:@akiko_nirasawa_beauty、ブログ:『美活☆365日 簡単&ラク~に綺麗になろう!』

Column

にらさわあきこの日々是実践美容道

 新人美容研究家のにらさわあきこが取り組む美容道。アラフォー超えて、本格的に真剣に取り組むことになった「美容体験」や「美容習慣」の考察記。

2021.09.05(日)
文・写真=にらさわあきこ