自治体や職場で無料のセルフ検査キットを提供
ワクチン接種は進んでいるものの、(これまた遅ればせながら)水際対策の強化を打ち出している政府は、「ホリデーの旅行を予約しないように」と呼びかけています。
現在は、国籍を問わずすべての英国への入国者は、出発前3日以内に受けた検査の陰性証明書の提示と、入国後は10日間の隔離、そして隔離2日目と8日目の検査(私費負担で2回分セットで210ポンド)が義務づけられています。
さらに、日本からの入国者は現在のところ対象ではありませんが、特にリスクが高いとされている南アフリカやポルトガル、ブラジルなどの33ヵ国からの入国者は、入国後私費負担による政府指定のホテルでの隔離が必用となります。この費用が1750ポンドと高額なことと、どの国がいつ、この指定国のリスト(レッドリストと呼ばれています)に加えられるか予想がつかないため、やはり海外旅行の計画は慎重にならざるをえません。
英国に住む人々の海外旅行も影響を受けていますが、インバウンドの観光業が復活するまでには、まだまだ道が長そうです。
海外からの入国時には、私費負担にて検体を郵送するスタイルでの検査が指定されていますが、最近は市町村などの自治体や職場で無料のセルフ検査キットも提供するようになってきました。これまでも症状のある人の検査は無料だったのですが、3人にひとりは無症状という統計を受けて、症状がなくても積極的に定期検査をすることをすすめています。
やり方は簡単で、綿棒でのどと鼻の奥をぬぐって、試験液に浸し、その液を検査板にたらすと、30分後に結果がわかる、というもの。線が1本なら陰性、2本なら陽性です。
DIY、ガーデニングなどへの関心の高まり
日常の生活に関しては、もうすぐ1年にも及ぶ自粛生活にうんざりしている人がとても多いと思います。
それでも、私も含め多くの人が、いまの生活のなかでできることを積極的に探すようになってきたんじゃないかな、という気がしています。
1度目のロックダウンの頃はまだ、「生活が普通に戻ったらこうしよう、ああしよう」と待ちの気持ちで自粛していましたが、「普通の生活」がいつ戻るのかわからないいま、いまの状況がデフォルトになりつつあるのは否めません。
物理的に会えないのなら、オンラインで。ZOOMを使って国内外の友人たちとおしゃべりするのにも、すっかり慣れた感があります。
外食ができないぶん、オンラインのお料理教室を受講して家での食生活を充実させるのも、お家時間がたっぷりあるからこそ。
かねてから気になっていた、日本の料理研究家の先生が、オンライン教室を始めたと知り、国境を越えて参加させていただけるようになったのは、嬉しい出来事でした。
物理的な距離が広がる一方で、オンラインではますますボーダーレスに、気軽に交流できるようになったように思います。
食と住環境を向上させようとする気持ちは、皆共通のようで、料理、掃除、DIY、ガーデニングなどへの関心の高まりは相変わらず。
クリスマスの時期には、例年になく多くのリースがドアを飾っていました。
暗く長く、そして人に会えない今年の英国の冬は特に、皆なにかしら心を明るくするような飾り付けが必要だったのでしょう。
今年のクリスマスはいつになく、ポマンダーやリースをつくったり、クリスマス料理をがんばったりしました。
まだまだ先の見えない日々ですが、いままでとは違うかたちで人とつながりながら、工夫とユーモアで毎日を少しでも楽しく豊かに過ごせたら……と願ってやみません。
安田和代(KRess Europe)
日本で編集プロダクション勤務の後、1995年からロンドン在住のライター編集者。日本の雑誌やウェブサイトを中心に、編集・執筆・翻訳・コーディネートに携わる。
●ロンドンでの小さなネタをつづったインスタグラム @gezkaz
●運営する編集プロダクションのウェブサイト http://www.kress-europe.com/
Column
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文・撮影=安田和代(KRess Europe)