●全国区になっても 名古屋を拠点とする理由

――その後、15年メジャー・デビュー、その知名度はどんどん全国区になっていきます。

 たくさんの人に届けたいという気持ちは変わりませんでしたが、オリコンなど、今まで知っていたワードが耳に入ってきたり、自分たちの冠番組が増えていったりすることの嬉しさはありました。

 今でも名古屋に住みながら、愛知県の広報大使や名古屋観光特使のようなお仕事や、中日ドラゴンズの応援歌も歌わせてもらったり、試合の解説などもさせてもらったりしています。

 街を歩いていると、普通のおっちゃんが「ドラゴンズ、昨日勝ったな!」と、気軽に話しかけてくれる。そういう地元愛みたいなものは、これからも大切にしていきたいです。

――ちなみに、ボイメンとしての転機となった出来事は? また、グループとして、俳優・水野さんとして、現場の居方の違いなどはありますか?

 グループとしては、15年に日本ガイシホールでやった1万人を動員した単独ライブ(“夢の1万人ライブで重大発表!「オレ、卒業します。」”)です。

 初の冠レギュラー番組(「ボイメン☆騎士」)との連動企画だったんですが、いつもの150人収容の常設小屋から飛び出し、1万人収容の日本ガイシホールのステージに立つことができて、それまでの苦労が報われた瞬間でした。

 グループとしての僕は、ライブ中のMCでは回し役に徹したりなど、常にリーダーというポジションは変わりません。でも、俳優業に関しては、自分が演じる役柄によってポジションは大きく変わります。

 ましてや、そこで主演や座長になるなら、こちらでもリーダーとして引っ張っていかなきゃいけないですから。

>>次回は最新出演映画『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』についても語っていただきます。

水野 勝(みずの まさる)

1990年11月22日生まれ。愛知県出身。名古屋発のエンターテイメント集団「BOYS AND MEN」のリーダー。俳優業にも力を注いでいる。主な出演作は、ドラマ「マジで航海してます。~Second Season~」(18年)、映画『HiGH&LOW』シリーズ(17~18年)などに出演。公開待機作に『悲しき天使』(8月7日公開予定)などがある。

『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』

残業続きの毎日に心身ともに疲れ果て、勢いで会社を辞めてしまう里奈(松井愛莉)。ある日、セラピストの道を歩むことを決意した彼女は、働き始めた店舗でデッドボールのトラウマで戦力外通告を受けていたプロ野球選手・碓氷(八木将康)と出会う。
https://iyashimovie.com/
7月3日(金)より公開中
(c)ドリームパートナーズ

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2020.07.10(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘