舌に数滴たらすと突然視界がくっきりする不思議……
ひょっとするとこれは“未来の常識”になるかもしれないと感じ、自分自身も珍しくハマっているのが“フラワーセラピー”。肌に塗るのではなく“舌にたらすこと”で精神的なコントロールをする心のエッセンス。乱れた感情に働きかけて、心のバランスを整えるという“インナーケア”である。
それも単にざっくり“緊張をほぐして安らぎを与える”みたいな従来のリラクセーションとは、根本的に異なるもの。あくまでも嫉妬や不安、悲しみや怒りなどネガティブな感情に“個別”に働きかけて、それぞれをポジティブな感情に変えていくのだ。
それ、怪しくない? 危なくない? そう言うかもしれないが、じつは紀元前からある植物療法で、英国人医師により体系化されたレッキとした治療法。たとえばDTWフラワーエッセンスは、じつに38種類の感情に働きかけるシングルエッセンスを用意していて、“毎日が退屈でつまらない”“無気力・無関心”“イライラ・癇癪”“恐怖”“傷つきやすい”“ライバル心が強すぎ”“頑張りすぎの完璧主義”“心配性・罪悪感”“独占欲が強すぎ”“自信がない”“抑えきれない怒り”“素直になれない”などなど、とことん具体的な“悩み別”。
子供用やペット用もあって、見事な品揃え。独自のブレンドもあるが、女性力を高めるファシネーションは、11種の花をブレンドした濃密なもの。花には特別な力があって、人間や動物にさまざまな影響を与えているとされるが、これは花が持つ波動によるもの。最近は“花のお見舞い”を禁止する病院もあるように、“匂いや縁起”ばかりでなく、花のエネルギーは人を元気にする反面、逆効果となるケースもあるほど明快なものなのだ。
このエネルギーを取り込む方法は、花々が発しているバイブレーションを、それぞれ独自の方法で水にエネルギーを転写させるもの。今やフラワーセラピーも“地球のエネルギー”そのものを同時に取り込むようなものへと発展してきていて、たとえば“パシフィック・エッセンス”は、文字通りの“海の生物”のエッセンスと、陰陽五行説という東洋思想を結びつけているのが特長。また“オーストラリアン・ブッシュフラワーエッセンス”は、アボリジニが伝統的に行ってきた感情のサポート療法を応用、“バッチフラワーレメディ”は、1936年に細菌学者、病理学者が開発した“先駆け”だ。
2016.05.03(火)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫