10代・20代の苦悩――「私なんて」と自信が持てなかった過去

――さとこのどんなところがお好きですか。

 好きなところはたくさんありますが、とくに「嬉しさが少し遅れてやってくる」ところがかわいいと思っています。

 司さんや鈴さん、唐デザイン事務所のみなさんから、何かをもらったり、言葉をかけてもらったりすることがあります。その場でも嬉しいのですが、家に帰ってから、「あの人は、こういう気持ちで言ってくれたんだ」「こういう思いで渡してくれたんだ」と、その言葉や気持ちを改めて噛みしめ、一人で小躍りする。そんなさとこがとてもかわいくて、大好きです。

 原作を読んだ時にも、さとこが一人でいる時の表情や、少しコミカルな動きに魅力があると感じたので、そこは演じる上でも大事にしたつもりです。

――桜井さんにも「私なんて」と思う時期がありましたか。

 さとこが「私なんて」と言ってしまう気持ちは、私自身にも覚えがあります。10代、20代の頃は、いつも心の中で「私なんて」と思っていました。とにかく自信がなかったのだと思います。

 もともとネガティブ思考でしたし、学生時代は、人との付き合いがうまくいかない時期もあり、本当に人生を楽しいと思えなかったんです。

 思うだけでなく、「私なんて」と口にも出していましたが、今はそう思うことがあったとしても、なるべく口にしないように意識しています。

――褒め言葉も素直に受け取れなかった?

 そうですね。相手がかけてくれたポジティブな言葉を、そのままポジティブには受け止められず、「お世辞なんだろうな」と考えてしまっていたんです。素直ではなかったのでしょうね。褒められても、言葉の裏を読んでしまい、素直に「ありがとう」とは言えませんでした。

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