E先輩の口から聞かされたのは…

「どうしたんすか?」

「は、貼り紙確認しろ……」

「え?」

「階段の貼り紙まだあるか確認しろ!」

 怒鳴り散らかすE先輩と後ろで真っ青な表情をしている他のメンバー。その様子に気圧されたUさんは、階段の方に足を運びました。

「……あれ?」

 奇妙なことに、さっきまで数枚貼られていた貼り紙が綺麗さっぱりありませんでした。

 車に戻ってそのことを伝えると、E先輩はおずおずとことの顛末を語り始めました。

 数分前、Uさんらをからかいつつ建物周辺を合計2周ほど回っていたE先輩たち。しかし、入り口は例の外階段しか見つからず、1階の部屋も鍵がかかってカーテンが閉められており、めぼしいものを見つけられなかった彼らは引き上げようとしていました。

 ですが、帰り際に入り口とは反対の窓側を通りかかったところで、ふいに建物の2階からバンッ! と鋭い音が響いたというのです。

 慌ててE先輩がスマホの明かりを音の方に向けると、ちょうど噂の2階の角部屋がある窓に、内側から何かが貼り付けられていました。

【あなたが何を見ようが、それは幻覚です】

 入り口で見たあの貼り紙でした。

 あの建物には誰かがいる。

次のページ 「一礼しないから怖い目に遭うんですよ」