最新テクノロジーと人の手、得意な部分を活かして完璧を求める

 その後、糸はクアローナの工場に移され、織機によって生地に織られていく。織りの工程は、まず縦糸をセッティングし、デザインやパターンがあるものはこの時点で糸を調整する。それは実に根気のいる丹念な作業で、このようなフレキシブルさが必要なところには人の手が入る。そしてそこに横糸を入れて機械で正確に織っていく。

 老舗の生地工場ゆえに、古い織機や職人たちが織っているのかと思いきや、織りの部分は基本的に最新鋭の機械が行っていた。

 確かに精密さや均一性が要求される織りの部分を機械が担当するのは、理にかなっている。そんな期待にこたえるかのように、正確に絶え間なく動く機械音が工場全体にこだましていた。

 そのようにして織られた生地は、洗って乾燥させ、風合いを出すためにわざと不規則になるように起毛させる。この作業には、昔はアザミの実のとげの部分が使われていたそうだが、現在はメタル製の器具が使用されている。

 そして、工程の途中では、各所に熟練の職人によるクオリティチェックが入る。生地が出来上がるまでに約60カ所のチェックポイントがあるのだとか。最後には生地の裏から光を当てて、不良品がないかを目でチェックする。

 その際に、直せるものは手仕事で直し、そうでないものは容赦なく外される。厳しいチェックを経て製品として認められたものだけが、コンピュータ管理された倉庫にストックされる。創業時から続く品質の追求は、倫理的な原材料の調達から製品づくりにまで及ぶ。

 モンゴルからクアローナへ。完璧を求める唯一無二の旅が、ロロ・ピアーナを世界最高峰たらしめている。

ロロ・ピアーナ ジャパン(ロロ・ピアーナ)

電話番号 03-5579-5182

https://www.loropiana.com

 

次の記事に続く ミラノを愛したアルマーニの足跡 メゾンのミュージアムに...

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