「一生一緒にいる人なら、全部言ったほうがよくない?」

――咲奈と光弘は、相手を大切に思うからこそ、秘密を打ち明けられずにすれ違ってしまいます。鈴木さんは、人とコミュニケーションを取るときに心掛けていることはありますか?

 私は、全部言います。相手にも言ってほしいです。後からわかるんだったら、先に言ってほしいなと思ってしまうので。咲奈とは、仕事がすごく好きなところは似ているのですが、夫に隠し事をしているのはあまり共感できないかも。「ちゃんと言おうぜ!」と思います(笑)。

 咲奈は天涯孤独なので、やっとできた大切な人を失いたくないという気持ちも理解できます。でも今は、「一生一緒にいる人なんだったら、全部言ったほうがよくない?」と思う大人になりました。

――すれ違いを演じる楽しさもありましたか?

 私、ドラマ「東京ラブストーリー」みたいな恋愛をしてみたかったんですよ。待ち合わせ場所に行ったら相手がいない、とか。今は連絡が取れるので、そういうことが起きにくいじゃないですか。本作では、そういうすれ違いを疑似体験できたのは楽しかったです。あんなに疑うなら、位置情報を共有すればいいじゃん、とも思うんですけど(笑)。でも、そういうことをしないアナログな感じに憧れます。

――咲奈は自分の能力や仕事を隠して、夫の前では控えめに振る舞っています。鈴木さんご自身にも、あえて目立たないようにしていた経験はありますか?

 ありますね。もともと、目立つのが好きじゃないんです。子どもの頃は、ちょっと頑張れば勉強も平均点ぐらいは取れる、という感じだったんです。ですが、グループの中で歌割りをいただいたり、センターに立つこともあったりしたので、「強い人だと思われたらどうしよう」とずっと心配していました。

――華やかなステージでの姿からは、意外に感じます。

 持ち上げられるのが苦手なんです。「そんな人じゃないのにな」と思うことは、今でもよくあります。私は、たまたま人前に立つ仕事をしているだけですし、応援してくださる職業に就いているだけ。仕事をしているという意味では、みんな一緒です。

――人前に立つときと、プライベートでのご自身に、違いはありますか?

 小さい頃からずっとこの仕事をしているので、もはや何がオンで、何がオフなのか、自分でもわからないんですよね。ずっとこれなんです。ぐだぐだしているときもあるんですけど、その感じもファンの方の前で出せますし。隠したい、隠れたいという気持ちはあまりなくて、隠れなくてもいい人生を送りたい。いつ知られても大丈夫なようにしておきたい、と思っています。

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鈴木愛理(すずき・あいり)

1994年4月12日生まれ、千葉県出身。2002年、8歳の時に「ハロー!プロジェクトキッズ」に選ばれる。2003年にCDデビュー。2005年アイドルグループ℃-uteを結成。2017年にハロー!プロジェクトを卒業後は、俳優や番組MCを務めるなど活動の場を広げている。

『昨夜は殺れたかも』

出演:吉野北人、鈴木愛理、工藤阿須加、王林ほか
原作:藤石波矢・辻堂ゆめ『昨晩は殺れたかも』(講談社タイガ)
監督:松木 創
10月23日より全国公開中
https://sakuyare-movie.com/

次の記事に続く 「仕事で『今日は80%でいいや』は絶対無理、ただ家では...