「先輩も罰当たったことあるとか……?」

 次第に彼らの話は“どれだけ自分たちが罰当たりなことをしてきたのか”という方向にシフトし始め、蒸し暑い夏の夜の熱気と相まって、そのボルテージはどんどんと加速していきました。

 しかし、意外にもそんな盛り上がりに突如釘を刺したのは、一番年上のKさんでした。

「おい、ガチでああいうもんはふざけねぇ方がいいぞ。警察とか喧嘩売ってくるやつとかは最悪なんとかなっけどな、ああいうのはどうにもなんねぇからよ」

 ボソリと呟き、タバコを吹かすKさん。

 一同は水を打ったように静まり返り、返す言葉に詰まっていました。

 学生時代からガタイがよく、不良たちの間では強面の喧嘩自慢として知られていたKさん。あまり冗談を言うタイプではなく、ゆえに彼がしゃべるときは空気がピリッと引き締まる。そんな先輩が“祟りにビビっている”とも取れる発言をしたのです。

「え……じゃあ先輩もなんかして罰当たったことあるとか……?」

「あるっていうか、まあ、まさに今だわな。不幸続きでよ。さすがに偶然とは思えねぇんだわ」

 それは、4カ月ほど前の出来事だそうです。

 当時、Kさんが交際していたAさんという女性と家でくつろいでいると、テレビでお花見特集をやっていたとかで、しつこく桜が綺麗に見えるスポットに連れて行ってくれとせがまれたのだとか。

 当初は面倒臭いとあしらっていたそうですが、あまりにもしつこかったこともあり、『あー、連れて行くから』と言ってしまったのです。

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