「なぜ島野菜を出すのか」ーー薬膳朝食に込めた女将の思い

 1955年に創業したホテルは、もともとトーストにベーコン、卵というごく普通のアメリカンブレックファーストだった。今のスタイルを取り入れたのは約50年前。創業者である渡辺さんのお母様がヨーロッパに旅行したときのホテルで、自分のホテルと同じ物が出てきたことに疑問を感じたのがきっかけだそう。

「せっかく沖縄においでになったのだから、私の祖母が作っている島野菜をお客様にお出ししてみようとなって、一品ずつ増えていきました。最初は周囲から『なんであんな田舎臭いものを出すんだ』と言われたこともあったそうです。それでもこだわりの強い母は管理栄養士さんの指導のもと、50品目600キロカロリー以下という朝食を考えました」

 その後、渡辺さんがホテルを手伝うようになり、薬膳の知識をもとに食材の組み合わせをアレンジしていったという。

「ゴーヤー、冬瓜、アロエなど沖縄の野菜は身体を冷やすものが多いんですね。薬膳ではバランスが大事です。冷やすだけではなく、温める材料を加えて中和をしなくてはいけない。ヘチマには味噌やゴマを乗せて中和をさせる。さらに寒くなるとそれが生姜に替わります。そうやって季節によって食材の組み合わせを変えて出しています」

 沖縄の家庭でも店でも、これだけの島野菜を使って料理にしているところはないだろう。

「朝食でこれだけ野菜を食べると昼食までベジファーストの状態が続きますので、お昼ご飯も血糖値を上げなかったり、太りにくかったり、コレステロールがたまりにくい効果が続きます。  ただタンパク質はちょっと少ないので、お昼にはお肉とかたんぱく質のものを取るともう完璧です」 

 デザートにはやさしい甘みの押し麦のぜんざいとカットフルーツが供された。薬膳朝食は要予約で3,850円。

 朝食で島野菜の奥深さを知り、沖縄の風土の豊かさを味覚とともに実感することができた。

沖縄第一ホテル

住所:沖縄県那覇市牧志1-1-12
電話番号:098-867-3116