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“小賢しい武器”を使わない真っ直ぐなアクションは初めてだった

――渡邊さんはアクションがお得意という印象が強いのですが、役の特徴を身体を使ってつかんでいくのがお好きですか?

 以前、曽利さんとご一緒させていただいた作品(『鋼の錬金術師 完結編復讐者スカー/最後の錬成』)のリン・ヤオ役でもアクションがすごく多かったんです。

 ただ、これまで僕がやらせてもらったアクションは、小賢しい武器を使っている役が多かったというか、トリッキーなアクションが多くて。『仮面ライダージオウ』のウォズのときもストールを投げたらCGで勝手に戦ってくれるとかだったので、変わっていますよね(笑)。

 そういう意味でも、信乃のように真っ直ぐな刀を使った殺陣みたいなものはなかったんです。今回はアクションも役柄も新しい挑戦的なものになったな、とすごく思います。

――初めての殺陣はいかがでしたか?

 殺陣は大変でした! ほとんど毎日体を動かしてたんじゃないかというくらい、躍動感のある日々でした。特に八犬士が全員揃って戦いに行く乱戦のシーンは、カメラの画角内で全員が完璧な殺陣を披露しなければいけなかったんです。一朝一夕でできるものではなかったですが、コミュニケーションの連携を取りつつ、いいアクションシーンが撮影できました。

 アクションをする上で自分自身のこだわりというのは、そこまで持っていません。作品の中の色を大事にしながら、その中で「ここはもっとこうやれば格好よさそうかもしれない」と思ったときだけ提案させてもらいます。

2024.10.24(木)
文=赤山恭子
撮影=深野未季
ヘアメイク=荒木美穂
スタイリスト=九(Yolken)