2024年9月10日に発売され、各紙誌で取材・書評が相次ぎ、TBS「王様のブランチ」でも特集された井上先斗さんのデビュー作『イッツ・ダ・ボム』。クールな文体に秘められたアツい魂の叫びに引き込まれる人続出中!
応援の声は書店の現場からも届いています。
紀伊國屋書店さいたま新都心店
大森輝美さん
いやー、めっちゃ面白かったです。まさかです。正直、グラフィティアートやヒップホップのようなちょっと悪いイメージがあるものを題材にした作品でこんなに感動するとは思いませんでした。第1部でグラフィティアートとは何かをライター目線で読み手に教授したと思ったら、第2部でがらっと印象が変わる。ミステリのようなサスペンスのような雰囲気をだしながら、中盤から終盤にかけてのヒリヒリした登場人物たちのやりとりに興奮。どこか投げやりに見えた主要人物(TEEL)の思考や行動はおそらく同じ年代だと思う私に響きました。昔とは違う「正しさ」に振り回されて見失った自分を取り戻すような。グラフィティアートなんて、と(下卑た目で)読みすすめていたけれど、ラストの2ページにやられました。これが今のヒップホップやグラフィティアートに対するこの作品のアンサーなんだと感動しました。時代に合わせて自分らしくいきる困難を、この題材で読めたことは嬉しい出会いでした。
BOOK COMPASSニュウマン新宿店
成生隆倫さん
世界に存在を示すことは、相対的な価値を己に見出すということなのだろうか。 「正しい」とか「間違い」などという言葉に呪われていないヤツが、本物の表現者だと俺は思う。文字が叫んでいた!
萬松堂
渡邉典朋さん
抑制のきいた文章から立ちあがる熱気。この熱量を書店員として読者に届けたくなった。いますぐ誰かに勧めたい‼ キレイな社会に息苦しくなってる連中はいますぐ読めよって。
未来屋書店日の出店
池戸はづきさん
路上の落書き(グラフィティバトル)という、見かけたことはあるはずなのに見過ごしていたものがテーマとなっており、そこに自分の知らない世界があるのではないかと感じて拝読いたしました。今の社会の雰囲気を感じながら自らの叫びを訴え、居場所を示すグラフィティバトルは、ほかのクリエイター達と変わらない”表現者”でありました。”表現者”たちは、YouTuberにしろ作家にしろグラフィティライターにしろ、誰しもが今の社会への問いを投げかけている。その新しい表現方法を著者は提示してくれたように思います。
東京旭屋書店新越谷店
猪股宏美さん
文体も、登場人物も、淡々としているのにヒリヒリする鋭利さを感じる。 体温低めなのに激しさを内に秘めている。 そんな熱を感じた。
BOOKアマノ入野店
永井茂さん
ドキュメンタリー映画を見てるような感覚を味わいながら読み進めていけました。ブラックロータスの正体が分かってからの、TEELとの戦いの勢いにはどっぷりと話の中に引き込まれました。
ときわ書房本店
宇田川拓也さん
ストリートアートから現代を映そうとする着眼点、ハードボイルド、クライムノベルの流れを汲む文体、インタビューとバトルの二部構成も効果的で、その優れた才能は疑う余地なし。最前線でいまと斬り結ぶ者にも時代遅れになる時が必ず訪れる現実を、侘しさや哀しさ以外の形で描き出すとは! ここにもっとも惹かれてしまうのも、歳ですかねえ。
半世紀書店員
井上哲也さん
『グラフィティ』の何たるやを殆ど知らなかった私は、第一部で大いに興味を惹かれ『グラフィティ』を教わり、第二部でライターの世代間温度差、その魂の対決に触れさせて貰った。果たして新旧の世代交代は成されるのか? 時代と共に『グラフィティ』も変わって行くのか……。良い意味で、今までに読んだことの無いタイプの作品であり、題材の捉え方も新鮮だと思った。次回作にも期待である。
イッツ・ダ・ボム
定価 1,650円(税込)
文藝春秋
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2024.10.19(土)