テイクアウトでも栗を味わいつくす!

 「愛宕のこぼれモンブラン」は、イートインで味わえる皿盛デザートだけでなく、テイクアウトできる木製カップ入りのものも用意。アイスクリーム以外はデザートの構成とほぼ変わらず、甘露煮は削らず刻んで上にのせ、栗のペーストは崩れないよう少し密に。こまめにつくってショーケースに並べられます。

 おみやげには、自家製の栗の渋皮煮をごろりと一粒のせた、「和栗パウンドケーキ」も人気です。こちらは、発酵バターをたっぷり加えた生地に栗のペーストを練りこみ、口溶けとく香り豊かに焼き上げたひと品。自家製の甘露煮と渋皮煮、角切りにした栗のペーストが混ぜ込まれていて、食感も楽しく、多彩な栗の風味が楽しめます。「木製カップに入れたまま電子レンジで20~30秒温めると、バターの風味がふわーっと広がっておすすめです」と、竹内さん。

 今秋、初お目見えするのは、笠間の栗とチョコレートをマッチングさせた「和栗のコンフィチュール」です。栗のペーストに砂糖とミルクチョコレート、砕いた栗の渋皮煮を合わせて炊き上げ、仕上げにラム酒をふんわりと。あんこのように凝縮された栗の風味をミルクチョコレートがおだやかに支え、ラム酒が洗練された華やかさを加えて高級感いっぱい。

 そのまますくって食べるもよし、バターとともにトーストに塗るもよし、ホットミルクに溶いて飲むもよし、いろいろな味わい方で楽しめるのも魅力的。今後、ホワイトチョコレートを使ったものや、スパイスを使ったものなど、バリエーションも増やしていく予定といい、期待が膨らみます。

 「僕がここでやるからには、レストランで経験してきたことを表現しなければ、意味がありません。せっかく笠間という産地に根差して栗を使うのですから、その和栗ならではのおいしさを追求し、どうやったらさらにおいしく食べていただけるか考えて、どこにも負けないようなデザートやスイーツをつくっていきたい」と話す、竹内さん。

 おいしい栗のお菓子で笠間の名を広め、県外からも多くの人に足を運んでもらって故郷に貢献していきたいという、竹内さんの挑戦は続きます。

栗のいえ

所在地 茨城県笠間市土師1285-25
電話番号 0299-57-2728
営業時間 10:00~18:00
定休日 月・火曜日
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2024.01.01(月)
文=瀬戸理恵子
撮影=橋本 篤