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 2019年第17回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した小説『怪物の木こり』(倉井眉介/宝島社文庫)の実写映画化で、連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラーを演じた菜々緒さん。サイコパス、そして連続殺人鬼に立ち向かう難しい役どころについてお聞きしました。【後篇】を読む


すぐに読み切るほど夢中になった原作

──菜々緒さんは普段、どのような本をよくお読みになるのですか?

 本は結構読むんですけど、自己啓発系の本や、何かしら自分のためになるような本を読むことが多いです。

 お話をいただいて、まず原作を読みました。読み始めたら、怪しい人物が次々に登場する変化の面白さや、追う者と追われる者が入れ替わる展開の早さに引き込まれ、「次、どうなるんだろう」と夢中になってページをめくる手が止まらず、1日で読み切ってしまいました。

──原作をお読みになって、いかがでしたか?

 原作の世界を十分に楽しませていただきましたが、これが映像になるって、そしてこの中の役を自分が演じるのって、どんな感じになるんだろうと、すごく楽しみでありつつも、不安を感じました。

──今回、菜々緒さんは、捜査本部内で孤立しながらも独自の視点で執拗に連続殺人事件を追いかける警視庁のプロファイラー・戸城嵐子を演じています。原作と映画では少し違うキャラクターになっていますが、どのような役作りを意識されましたか?

 原作の戸城嵐子は、私の中ではおとなしくて真面目な印象が強かったのですが、三池崇史監督からは、「サイコパスな要素も取り入れてほしい」とはじめに言われました。ですから、三池監督のリクエストを受けて、プロファイラー捜査員として、怪しげなというか、人としてのバランスの悪さや不安定さなどを丁寧に融合させながらお芝居できるよう意識しました。

2023.11.29(水)
取材・文=相澤洋美
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=浦上祐子(アーツ)
スタイリスト=金順華