餅米や製法にももちろんこだわります
それだけではなく、餅の搗き方、水分量、温度、湿度の管理、さらには、米の選別も重要です。米は、粘り気が多い佐賀県産の餅米を使用。それを洗米してセイロで蒸して搗いて、平らにして3日間寝かせる。それから切って、3日から5日天日干し。それも、30分に一度裏返しながら昼間4、5時間干し、缶に入れて乾燥を均等にすることを繰り返します。そして、ようやく焼いて味付けし、仕上げの乾燥。小さな亀の一粒は、7日から14日かけて、やっとできあがるのだそうです。
あられは、すごい日本の技術、職人さんの熟練の技でできているものでした。
さらに、宗禅さんが独自で開発したのが、和三盆を使ったおかき。和三盆を一度煮て液状にしたものを熱々のあられにからめているのだそう。梅、柚子、抹茶、きなこ、黒ごまの5種類。どれも上品な甘みと香りが広がって、風雅な気分になれます。
他にも、京野菜の九条ねぎと西京味噌のあられや、ごく小さな宝船の形のあるあられ、海老せんべいで作られた器に色々なあられやおせんべいを入れた「朱珍」や「上朱珍」など、様々な珍しいあられがあって楽しい。なんと、ワインに合う「パルメザンチーズ トマト」「パンプキン マスタード」「バジル ホウレンソウ」などの種類もあります。あられは全部で50種余り。
本店の一角には、自由に試食できるコーナーも設けてありました。
もうひとつ、お正月にいただきたいものを見つけました。それは『紅白亀甲餅』。あられの上技物『亀』の技でできたお餅です。網にのせて焼くと、ぷうっとふくらみます。醤油をつけ海苔を巻いていただくのもいいですが、お雑煮に浮かべると、とてもおめでたい!
和食がユネスコの無形文化遺産に登録された今日。和のお菓子、あられも改めて見直してみたいものです。
京西陣 菓匠宗禅 本店
住所 京都府京都市上京区寺之内通り浄福寺東門中猪熊町310-2
電話番号 075-417-6670
URL http://www.souzen.co.jp/
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2013.12.22(日)