火元確認と同じくらい気にした“水”の問題

――2021年3月にCREA WEBにご登場いただいたあとの、はむはむとの生活について、まずは教えていただけますか。

 2021年3月ということは1歳になる前ですね。その頃はまだ環境が完成されてなかったんじゃないかな。ご飯も環境も変えたし、何かしらずっと変え続けていました。歳を取るにつれて運動量も減っていくので食事ももっと気を使うようになったし。昔の動画を見返すと、(試行錯誤の結果とはいえ)危ないことしてるなと思ったりもします。

――環境を変えたとは、例えばどんなことですか?

 取材当時使ってた回し車は中くらいのサイズだったんですけど、そのあと一番でかいサイズに替えたし、ホイールを回すための土台も噛んでも大丈夫なように木で作ってもらいました。

 一番大きな変化は、かかりつけの病院が決まったこと。院長先生がハムスターに詳しくて。その病院の本も買いましたし、売ってたペレットがめちゃくちゃよくて信頼できるものでした。いつでも親身に電話対応してくれましたし、いろんなことを聞けたのはでかかったですね。

――毎日、仕事で忙しい中で、はむはむちゃんとの時間はどうしてたんですか。

 一緒にいられる時間は少なかったですけど、相性はよかったんじゃないかなと。僕が(仕事で)いない時は寝ていて、帰ってくる夜中に起きてるんで、ハムスターの習性的に噛み合ってたんです。日中、家にいない時はペットカメラで見ていて。

 とにかくペットカメラに救われました。特に体調が悪くなった2022年1月くらいからは、仕事に出ていても見てないのはいつなんだっていうくらい、ずっと見てましたね。

――心臓が大きくなってしまう病気だったそうですが、かかりつけの病院でわかったんですか?

 そうですね。健康診断で診てもらった時、まず歯が悪いことがわかって、硬いものを食べさせすぎないほうがいいということになったんです。だから、ペレットはふやかして柔らかくして。心臓も元々兆候はあったけれど、やはり肥大していると言われて。

 そもそも1歳半くらいの時、夜中にあんまり走ってないなと思ったことがあったんです。明らかに運動量が減ってるのがずっと気になって食事を変えたり、水が飲めているかどうか確認したりして。水が飲めてないのが一番怖かったので、火元大丈夫か、って確認するくらい何度も見て。(出先から)一旦、家に戻ってまで、水飲み器から水が出てるかをちょんちょんと触って確認したりしてました。

――異変には気づいてたんですね。

 正直なところ、ハムスターの体調の変化に気づくのは難しいと思います。体重は変わらない、食欲は変わらない、おしっこの回数は変わらない……変化がないんですよ。弱っている時ほど元気に見せようとする生き物なので、毎日ちゃんと見てないと気づけなかったと思います。マジでギリギリでした。病気が判明してからも元気なんです。外に出たかったら出るし、おいしいご飯を求めるし。(亡くなる直前の)6月までずっと元気でした。6月8日には2歳のお祝いもできましたし、亡くなった時も体重に変化はなかったです。

 あと、子宮も悪くて。それはだいぶ早い段階で気づいていて、いいお薬ももらえてたんで、炎症も止まってたんですけどね。特に2歳からは投薬の毎日でした。

――病院にも頻繁に連れて行っていたんですか?

 もちろん行かせたかったんですけど、タクシーに乗せると車体が揺れるし、気温も気圧も変わってしまう。はむはむのストレスになってしまうんですよ。だから、病院へは電話で相談してましたし、病院へ頻繁に連れて行くことができない分、自分でいろいろと調べてました。

2023.05.06(土)
文=高本亜紀
撮影=深野未季
写真=野田クリスタル