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ディティールにもこだわった客室は日本文化の良さを芯から体感できる

 それでは、お部屋へ向かいましょう。

 客室階の廊下には、日本の伝統美を感じる美しいデザインの障子が続き、お部屋への期待感が高まります。ルームキーは、手触りが良く高級感のある木製。こんな細部にも星のやのこだわりを感じます。

 各フロアに6室ある客室は、ダブルの「百合」とツインの「桜」の定員2名のお部屋がメイン。各階に1部屋用意されている「菊」というお部屋は3名まで宿泊できます。

 私は、大きなダブルベッドでゆったりくつろげる「百合」のお部屋に宿泊しました。

 入ってまず目に飛び込んできたのは、ガラス張りでシースルーの広いバスルーム。シャワールームの他に、足をのびのびを伸ばしてもゆとりがあるほど大きなバスタブも完備されています。

 お部屋を見渡せば、竹格子のクローゼットや、青森ヒバで仕立てられた「畳ソファー」と呼ばれる座椅子など、インテリアの随所にも伝統的な建築美を感じられます。

 星のや東京の和の文化へのこだわりは、細部にまで行き届いています。お着替えをしようとクローゼットを覗いてみると、そこに置かれていたのは立派なお着物!

 着物デザイナーの斉藤上太郎氏による「星のや東京」オリジナルのこの着物は、動きやすいジャージ素材で仕立てられているのでゆったりとした着心地。帯もテクニックいらずでさっと巻くだけで決まります。玄関では草履を用意してくれるので、ちょっとそこまでのお散歩着としても利用できるのも嬉しいですね。

2023.05.01(月)
文=磯村実穂