豪華な演出に満ちた広東料理店

◆玖尹 ROYAL JOYING SOIREE

 高級感あふれる外観が、ひときわ目立つ「玖尹(ジゥイン)」。2020年7月にMRT松江南京駅から徒歩約4分の場所にオープンしたレストランで、ホテルのようなラグジュアリーな空間と、スタイリッシュな創作広東料理や飲茶を楽しめます。

 周辺環境がよく、「伊通公園」という小さな公園に隣接しているので、店内の窓から公園の緑が見えて癒やされます。

 またすぐ近くには、チャンピオンコーヒーのカフェとして名高い「Fika Fika Cafe」や、料理やスイーツがおいしいと評判の優雅なおしゃれカフェ「老爺小花園 Royal Petite Garden」などの人気店もありますが、「玖尹(ジゥイン)」は老爺小花園のオーナー・顏瓊姿氏が新たに立ち上げたレストランとして話題を集めています。

 店名の玖尹の英名はRoyal Joying Soirée。Royalはロイヤルグループの輝かしい世界を、Joyingは喜び、Soiréeはフランス語で夜を表しています。お客がいつ訪れても、トップレベルのサービスと料理を通して、家族や友人とともに心地よい時間を過ごしてほしい、という思いからこの名をつけたそうです。

 フロアは地上と地下に1階ずつあり、座席は全88席。地上階はゴールドと白を基調とした明るく華やかな雰囲気で、数点置いてある籐のナチュラルな椅子には温かみを感じられます。

 地下には豪華なバーカウンターがあり、こちらはシックで高級感のある大人な空間。個室も用意されています。

 また、ステージがありミュージシャンの演奏を楽しめるほか、階段側の壁一面には著名なアーティストの映像作品が映し出されています。

 料理は広東料理界の有名シェフ鄺啟明氏を顧問に、彼の弟子である李冠儀氏と李國聖氏を筆頭にした腕の立つ料理人たちが担当。伝統的な広東料理の手法をベースに、玖尹のイメージにふさわしい華やかで印象的な、新感覚の創作料理や飲茶を提供しています。

玖尹 ROYAL JOYING SOIREEのおすすめメニュー

●黑松露素粉粿/188元

 伝統的な蒸し餃子「潮州粉粿」をベジタリアン用にアレンジした点心。日本産の抹茶を使用し、美しい翡翠色をしています。

 口に運んだ瞬間に黒トリュフの香りが広がる贅沢な味わい。餡にはしいたけ、エリンギ、しめじなど数種のキノコと、ズッキーニを細かく刻んだものが入っており、さまざまな食感を楽しめます。

 しっかりと味がついているので、何もつけずにそのままいただきます。

●蟹籽紅米香脆龍蝦港式布拉腸粉/388元

 かわいらしい見た目をした人気の飲茶メニュー腸粉。紅谷米という紅麹米を使用し、鮮やかなバラ色に仕上げられています。

 腸粉の中に、ベトナム春巻きの皮でロブスターなどの海老を包んだものを入れて揚げています。モチモチした食感の後のサクサク感、弾力のある海老の歯ごたえが楽しめます。

●陳年花雕浸熟紅蟳/1,588元

 ドライアイスの演出によって登場した大きな蟹は「紅蟳(ノコギリガザミ)」。蟹を8割ほど蒸した後に、紹興酒の一種である花雕酒18年熟成のものと、3種の醤油、唐辛子、金木犀を合わせた特製ダレに2日間漬け込んでいます。

 ほどよく火が通り、味の浸み込んだ蟹味噌と蟹肉のとろりとした滑らかな味わい、濃厚な紹興酒の香り。このリッチな甘さがたまらない「究極の酔っ払い蟹」です。

●新粵式魚翅撈脆米/1,688元

 濃厚なクリーム色をした「新広東式フカヒレスープ」。肉質の柔らかい玉米鶏を3時間蒸した後にじっくり煮込んだ、旨みたっぷりのチキンスープです。とろとろに煮込まれた豪華なフカヒレの姿煮も入っています。

 お米をサクサクに揚げたクリスピーパフ(撈脆米)をトッピングし、追いスープを入れて完成。スープにパフを合わせるのは、近年の流行とのこと。

 コラーゲンたっぷりのフカヒレを使ったチキンスープは、まさに飲む美容液!

●楊枝甘露/248元

 伝統的な香港スイーツ「楊枝甘露」を玖尹流におしゃれにアレンジ。爽やかなブルーのガラスとドライアイスの演出が、何ともフォトジェニックです。

 楊枝甘露はマンゴーとポメロ、ココナッツミルクや白タピオカをベースにしたスイーツですが、さらにタピオカを入れたアイスクリームやマンゴージュースを入れることで新たな食感が加わった、優雅な食事のラストにふさわしいデザートです。

 営業時間帯はランチ(11:30~14:30)、アフタヌーンティー(14:30~17:00)、ディナー(17:30~21:30)の3部制。ランチとディナーはセットやコースなどは特になく、すべて単品でのオーダーとなり、共通のグランドメニューから選びます。

 ランチとディナーは伝統的な広東式と同様に、お茶代が1人60元かかります。お茶はジャスミン茶、鉄観音茶、菊プーアル茶から好きなものを選びます。

 アフタヌーンティーは専用のセットメニューがあり、10のメニューから好きなものを4つセレクトします。料金はお茶がついて699元(+サービス料が10%)。グランドメニューにある点心からも単品の注文が可能ですが、その場合は最低1人300元かかります。

 一皿ごとの演出が素晴らしく、高級素材をふんだんに使用した豪華な料理の数々は、台湾のメディアから「新派粵菜(ニュースタイル広東料理)」と評されることも。

 ベースは伝統的な広東料理のため安定した味わいが楽しめるので、幅広い年齢層の人に満足していただけるのではないでしょうか。

玖尹 ROYAL JOYING SOIREE

所在地 台北市中山區伊通街39號
電話番号 02-2508-2700
営業時間 ランチ 11:30~14:30、アフタヌーンティー 14:30~17:00、ディナー 17:30~21:30
アクセス MRT松江南京駅5番出口より徒歩約4分

2023.02.01(水)
文・撮影=矢作晃之