優雅な宮廷文化が息づいている
「京都の伝統工芸」
京都は、794年に桓武天皇が平安京に遷都したことに始まる都。
以降、明治の幕開けまで、約1,100年の長きにわたって政治や文化の中心地として栄えた。
今なお、優雅な宮廷文化が街を豊かに彩り、絢爛な手仕事が受け継がれている。
◆象彦(ぞうひこ)
1661年に象牙屋として開舗、以降、漆器を商う老舗。3代目・西村彦兵衛が漆器の名匠として御所御用達を命ぜられ、朝廷より蒔絵司の称号を拝受。
洛中で評判となって「象彦」と呼ばれるようになった。10代目となる令和の現代、ハレの日の私たちの暮らしに華を添えてくれる、モダンな漆器も数多く揃う。
象彦(ぞうひこ)
所在地 京都市中京区寺町通二条上る西側 要法寺前町719-1
電話番号 075-229-6625
営業時間 10:00~18:00
定休日 不定休
https://www.zohiko.co.jp/
「沖縄の伝統工芸」
琉球王国から奇跡的に受け継がれた工芸の珠玉といえば“金細工(くがにぜーく)”。
純銀の板棒を金槌で丹念に叩き、“房指輪”をはじめとした、華麗な逸品を作り上げる。
その手法は500年以上も変わることがなく、やさしい輝きとしなやかな曲線に心奪われる。
◆金細工またよし(くがにぜーくまたよし)
首里の城下町で王府のお抱え職人を代々務めてきた又吉家。
戦後途絶えかけた金細工の伝統は、6代目・誠睦さんの尽力で復興し、その技と心を7代目となる健次郎さんが受け継ぐ。
「父と同じ道具、同じ姿勢、同じリズムで作るだけです」と語り、王朝時代と変わることのない金槌の音を響かせながら、今も日々物作りに向き合う。
金細工またよし(くがにぜーくまたよし)
所在地 沖縄県那覇市首里崎山町1-51
電話番号 098-884-7301
営業時間 9:00~17:00
定休日 日曜
https://www.kuganizeiku-matayoshi.com/
Text=Maki Takahashi、Shojiro Yano、Saori Goya
Photographs=Masuhiro Machida、Nanae Suzuki、Akira Nakata、Atsushi Hashimoto、Takashi Shimizu