CREA Traveller 2022 vol.2の特集は、「京都と沖縄 二つの美意識を訪ねて」。

 ともに長い歴史に支えられた伝統が息づく街でありながら、全く違う表情を持つ京都と沖縄。それぞれ違う魅力を持ちながら私たちを惹きつける、そんな二つの魅惑の街に通底する美意識を探りました。

この記事の掲載号

CREA Traveller 2022 vol.2

Beautiful Kyoto & Okinawa
京都と沖縄
二つの美意識を訪ねて

定価1,350円 (税込)

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波乱万丈すぎる沖縄そばを復帰50年の節目で味わう

 小麦粉を使用した麺、豚骨とカツオ節のブレンドスープなど、一般的な“蕎麦”とは見た目も味も異なっている“沖縄そば”。そのルーツは明治時代中期に営業を開始した「支那そば屋」とされている。その後、専門店が続々とオープンしたが戦禍により壊滅状態に。戦後、徐々に復活を遂げ、県民のソウルフードとして愛されてきた。

 しかし本土復帰後の1976年、公正取引委員会から“そば”の名称に対するクレームがついてしまう。麺に蕎麦粉を使っていないとの理由からだ。“沖縄そば”の名称消滅の危機に沖縄県側が交渉を続けた結果、1978年10月17日、ようやく名称使用が認められ、この日は現在「沖縄そばの日」に制定されている。

 今では昔ながらの製法を守る専門店がある一方で、工夫を凝らしたニューウェーブも増加中。本土復帰50年の今年、沖縄そばの歴史に思いを馳せながらお気に入りの一杯を探すのも面白い。

 “THE定番店”から“進化系”まで、沖縄のソウルフードを食べ歩こう! おすすめの4店をご紹介。


#1 嚙んで味わう自家製手打ち麵に感動

◆首里そば(しゅりそば)
[那覇・首里]

 数ある沖縄そば店のなかでも屈指の人気を誇る名店。

 店主の仲田清さんが毎朝打つ自家製麵は、てこの原理を利用し、手揉みに時間をかけることで存在感のあるしっかりとした歯ごたえ。

 カツオの一番出汁が香る繊細なスープはコク深く、連日行列ができるのも納得の美味しさが一杯に詰まっている。

首里そば(しゅりそば)

所在地 沖縄県那覇市首里赤田町1-7
電話番号 098-884-0556
営業時間 11:30~14:00(売り切れ次第終了)
定休日 木・日曜

文=高良 蘭、伊東一洋
撮影=G-KEN