北海道の美しき大地
縄文とアイヌを旅する

ポロト湖畔に誕生した、癒やしの湯宿

　アイヌ文化を体感できる地として話題のポロト湖畔に2022年1月14日、星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」による北海道初の施設、界 ポロトがオープン。

　素晴らしい環境と、神秘的な地域文化が融合した新しいおもてなしでゲストを魅了する。

●界 ポロト ［白老町］

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　ポロト湖の水を引き入れた敷地内に、アイヌ建築の「ケトゥンニ(三脚構造)」から着想を得たという、とんがり屋根の湯小屋が並ぶ界 ポロト。

　客室はすべて絶景のレイクビューで、天気のいい日には、遠く樽前山を望み、天然林が創り出す風景に心が安らぐ。

　インテリアには、アイヌ文化をモチーフにしたアートを取り入れ、「チセ(伝統住居)」の炉から着想を得たテーブルなど、ユニークな演出も楽しい。

　注目は、世界的にも珍しい植物由来の有機物を含有する天然のモール温泉。

　三角錐の空間デザインが新鮮な湯小屋「△湯(さんかくのゆ)」には、湖と一体となったかのようなインフィニティ風呂を用意。

　また、趣がまったく異なる「〇湯(まるのゆ)」は、ドーム天井から差し込む一筋の光が幻想的。冬には、舞い落ちる雪が独特の風情を醸し出す。

　そして、北海道といえば、美味しい料理も大きな楽しみ。夕食には「毛蟹と帆立貝の醍醐鍋」をはじめ、旨み満載の会席料理をお食事処で堪能。

　アイヌ民族の丸木舟をモチーフにした器などにもこだわりが詰まっている。

　さらに、白樺をはじめとした道産木材をふんだんに使った空間、暖炉の温もりに心が和むロビー、ハーブティーを片手にくつろげるトラベルライブラリーなど、館内で過ごす時間はどれも上質。

　いちばん新しい癒やしの休日がここにあるのだ。

取材・文＝矢野詔次郎
写真＝志水 隆
協力＝北海道観光振興機構