家時間に投入。金七商店のかつお節削り器

 最後はなんと、今ではほとんど見ることがなくなったかつお節削り器の登場。

 カビ付けと天日干しを何度も繰り返す、昔ながらの製法で作られた「クラシック節」で知られる金七商店のものです。

 「もともと、袋に入ったクラシック節の薄削りがおいしくて、よく買っていたんです。そのうちにどんどん消費量が増えてきて。しかもコロナ禍で家時間が増えたこともあり、『自分で削ってみたい』と。

 まだあまり上手に削れないけれど、削りたてはやっぱり、味も香りも違いますね。朝、白湯に少しだけ入れて飲むと本当においしいんです」

 あれにも使える、これにも使える、と、ひとつで用途がたくさんあるものもいいけれど、「かつお節を削る」、ただその用途に特化した道具の潔さもまた新鮮。

 家時間を楽しみ、新たな楽しみをつくり出す、そんなヒントが新行内さんのワンルームにはたくさん詰まっていました。

※表示価格はすべて税込。

●教えてくれたのは……
新行内(しんぎょうち)まいさん

インテリアやファッションブランドでのマーケティングを経て、2020年よりルイスポールセンジャパンでPR&マーケティングに携わる。「光をかたちづくるデザイン」というブランド哲学を多面的に表現することをモットーに、日本国内でのブランド普及に務める。

前中葉子(まえなか ようこ)

エディター&ライター。住宅、インテリア、日用品など暮らしまわりのテーマで雑誌、書籍、広告の制作に携わる。株式会社ビーム所属。ライフワークは富士山の観察。

Column

達人が惚れ込む
暮らしのMY BEST

暮らし上手な方々が日頃愛用している道具や家具をじっくりと拝見! 選ばれたものたちが、快適な暮らしにどう役立っているのか、その魅力をひもときます。もの選びの参考にぜひ!

 

2021.05.20(木)
文=前中葉子
撮影=平松市聖