国を背負う女王の威厳と気概

「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵『KING&QUEEN展』」

 質実剛健な夢窓疎石の像から一転して、上に掲げた作品は豪勢な衣装や真珠をまとうエリザベス1世。肖像ばかり所蔵するロンドンの美術館から運ばれてきた、『KING&QUEEN展』に出品の1枚だ。

 引き締まった表情からは、国を背負う女王の威厳と気概がひしひしと伝わってくる。人物表現はかくも多様なのだと感じ入ってしまう。

「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 『KING&QUEEN展』」

会場 上野の森美術館(東京・上野)
会期 開催中~2021年1月11日(月)
料金 一般 1,800円(税込)ほか ※日時指定制
詳細は展覧会公式HPにて要確認
電話番号 03-5777-8600(ハローダイヤル)
https://www.kingandqueen.jp/

山内宏泰(やまうち ひろやす)

ライター。著書に『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)ほか。「文学ワイン会 本の音夜話」などの催しも主宰。近刊に『写真を読む夜』(誠文堂新光社)、電子書籍『写すひと』(コルク)。
Twitter:@reading_photo

Column

山内宏泰のこの1枚に会いたい!

美術、写真、文芸その他について執筆するライター、山内宏泰さんがナビゲート。いま見逃せない美術展をテーマに沿ってご紹介する、アートの“ななめ歩き”の提案です。

 

2020.10.27(火)
文=山内宏泰

CREA 2020年11・12月合併号
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この記事の掲載号

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様々な業界で活躍する人たちの人生を支えてきた習慣とは? 大切にしている美の価値観とは? 時に悩みながらも、美容を通して“自分らしさ”に真摯に向き合ってきた“あの人”に取材。そこから見えてきたのは、揺らがない自分でいるための美容でした。