奈良美智などアーティスト8名の新作を展示

2006年の「YOSHITOMO NARA + graf A to Z」展に関わった地域の人々のために制作された大きな立体作品をエントランスに再展示。
エントランスに入るなり目を惹かれるのが、弘前出身のアーティスト奈良美智の大きな立体作品《A to Z Memorial Dog》だ。

中国現代美術を牽引する女性アーティスト。古着を用い、都市化や近代化への様々に交差する感情を表現。©Yin Xiuzhen, courtesy of Beijing Commune and the artist
画像右:ナウィン・ラワンチャイクン《いのっちへの手紙》2020年
30人以上の弘前市民へのインタビューをもとに制作された、幅約13mの大型絵画と映像作品。
2006年、改修前の煉瓦倉庫で開催された「YOSHITOMO NARA + graf A to Z」展に関わった地域の人々のために制作された作品が再展示された。

大量生産の布に着彩し、アイデンティティの意味を問うシリーズ作。「弘前エクスチェンジ」の第1弾アーティスト。
これまでと同様、この地のシンボルとして長く愛されていくことだろう。

煉瓦倉庫が美術館へと生まれ変わる改修工事を着工前から約2年かけて撮影。
開館記念プログラムは「Thank You Memory ―醸造から創造へ―」。場所と建物の「記憶」に焦点をあて、国内外8名のアーティストによる作品が新作を中心に紹介される。

また、様々な異なる視点が交差し、ふれあい、交換されることにより地域の創造的魅力の再発見を目指す「弘前エクスチェンジ」プロジェクトの展示やイベントにも注目したい。

2020年6月、弘前れんが倉庫美術館は、ようやく弘前市民、そして青森県民に向けてプレオープンを果たした。

日本全国から足を運べる日も遠くはないだろう。シードル・ゴールドの輝きが物語を紡ぎ始めるとき、弘前に美しき誇りがもう一つ加わることとなる。


弘前れんが倉庫美術館
所在地 青森県弘前市吉野町2-1
電話番号 0172-32-8950
開館時間 9:00~17:00
料金 「Thank You Memory」展 1,300円(展覧会により異なる)
休館日 火曜(祝日の場合は翌日休)
https://www.hirosaki-moca.jp/

Feature
物語を紡ぐ
日本の美術館3選
Text=Yuko Harigae(Giraffe)
Photographs=Sho Shibata
Cooperation=Hirosaki Museum of Contemporary Art