数々の名作の創造性を体感できる美術館へ

 アーティゾン美術館を運営する公益財団法人石橋財団は建て替えのための休館中も作品収集を継続的に進めており、開館までに180点を超える美術作品と芸術家肖像写真約1,200点が新しくコレクションに加わることとなった。

 そのなかには、抽象絵画の父と称されるカンディンスキーなどの20世紀美術や、雪舟、尾形光琳といった日本の近世美術、さらに古美術、現代美術も含まれ、作品収集の視野はますます広がっている。

 その石橋財団コレクションは、石橋正二郎の個人コレクションを出発点としている。

 戦前から実業家として成功を収め、やがてブリヂストンを大企業へと育て上げた正二郎だが、一方で自らの使命としたのが文化の向上や教育振興だという。特に力を注いだのが、美術作品の収集だった。

文=張替裕子(Giraffe)
撮影=橋本 篤