スペイン王室の宮殿も、まさしくミュージアム!
“パラシオ・レアル”で、リアル王朝体験

アルマス広場から眺める美しい王宮のファサード

今なお現役の宮殿で王様気分に浸る

 パラシオ・レアルが立つこの地は、11世紀にカスティーリャ王国の宮廷が置かれ、16世紀には国王の居城となり、スペインのなかで最も絢爛な歴史の舞台となった場所である。現在の王宮は、ブルボン王朝の1736年、フェリペ5世の命により計画され、長い歳月をかけて建てられたもの。現国王はマドリード郊外のエル・パルドに居を移しているが、国家元首クラスの賓客をもてなす迎賓館として今なお現役だ。しかも、その本物の宮殿がふだんは一般公開され、見学者も国賓と同じように大階段を登って入場するとあって、まさしく王様気分に浸ることができる。

国賓来訪の際には、今も宮中晩餐会が開かれる、饗宴の間

 館内には、時代の最高水準を誇ったタペストリーや時計、シャンデリアなどがぎっしり詰め込まれ、すべてがミュージアム級の至宝揃い。この王宮全体が、王朝の栄華を現代に追体験させる巨大な芸術作品であり、比類なき文化遺産でもあるのだ。王都マドリードの優雅なアートめぐりの締めくくりに、ぜひ訪れたい。

Palacio Real (パラシオ・レアル)
住所 Calle Bailen s/n, Madrid
電話番号 +34-914-548-700
URL www.patrimonionacional.es
開館時間 10:00~18:00 (日・祝~16:00)
※4~9月は10:00~20:00
※年間9日の休館日のほか、セレモニーなどの公式行事による休館あり
拝観料 12ユーロ

※この特集内でご紹介した各施設・店舗は、季節により営業時間が変更になることがあるほか、祝日などに休業することがあります。

photo:Atsushi Hashimoto
realization & text:Shojito Yano
coordination:Yasuo Taniguchi / Yukiko Hori
illustration:Kanako Sasaki / Masako Kubo